アドラーは面白い

雑感

アドラー心理学の3冊目を読んでいる。この心理学の最大の特徴は、民主主義の運営のための心理学だということろにある。心理学というアプローチから民主主義的な組織運営とは何かを徹底して教えてくれるものになっている。アドラーは人間関係を徹底的に分析しているので、こういう態度を取ると、相手がどう反応するのかをリアルに教えてくれるので、民主的な組織運営にとって何が重要なのかが理解できるものになっている。

子どもの教育に関心の深かったアドラーは、教育とは何かということについても、深く分析しているので、教師にとっても非常に役に立つ心理学だと思う。民主主義というのは、対等平等の人間による組織の運営なので、ピラミッド型の組織運営とは対極にあるものの考え方を提示している。競争を徹底的に否定しているのも、人間と人間の平等性を強調しているからだ。競争による学習の動機付けは、外圧によって学習意欲を掻き立てるものなので、どうしても歪みをともなう。学習の動機付けは、知的好奇心、探究心に基づくようにすべきであり、自分の人生は、自分で選択できるということを学びとってもらうものにすべきだ、というのがアドラーの考え方だ。
教育は、自立のために行うものであり、人間の悩みは全て人間関係にある。自立した人間による対等平等のコミュニケーション、相手の課題と自分の課題の切り分け、人間への信頼。個人の尊厳を保障することとまわりの人々をリスペクトするという考え方とアドラーの考え方は深いところでつながっている。
相互依存的な関係の濃い日本人は、相手の課題と自分の課題という切り分けがなかなかできない。
自分の人生は、自分で選択するという考え方と自立、その上での対等平等、首尾一貫性は、人間に対する信頼から出発している。学ぶことは多い。


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雑感

Posted by 東芝 弘明