庁舎建設、2年間のコンサルタント委託料の債務負担、可決

雑感

4月会議として本会議が開催された。議案に対する提案説明があった後30分、休憩をしてから質疑が始まった。
議題は、2つの専決処分。1つは事故の損害賠償、もう1つが特別地方交付税の額が決定したことを受けての一般会計補正予算だった。
中阪町長時代になる前、3月会議は3月末まで行われていたので、特別地方交付税の額の決定を受けての一般会計補正予算は専決処分となることはなかった。自治体にとって、地方交付税の占める位置の大きさからいって、特別地方交付税がどうなるのか、そのことによって会計がどう変化するのか、これを議会が責任をもって見極める意味はある。議会の終了を早めたことによって、特別地方交付税の額の決定を内容とする一般会計補正予算が専決処分となっていいのかどうか。これが問われているのではないだろうか。

議案として上程されたのは一般会計補正予算。内容は、クビアカツヤカミキリの被害拡大に伴って622万4000円の補正予算を追加すること、庁舎建設の庁舎整備支援委託料の債務負担行為補正として、1446万5000円(今年度分と合わせると3428万7000円)の限度額が設定することだった。

クビアカツヤカミキリ虫対策の補正予算は、和歌山県の補助事業に対し、これと抱き合わせで町が補助するというもの。令和5年度の県への被害届の件数が112件あり、これに全部対応しようと思えば、令和6年度の当初予算700万円だけでは足りず、622万4000円の補正が必要になるというものだった。結局、令和5年度の被害に対し、6年度予算と今回の補正予算を全部つぎ込んで、伐採と抜根、伐採・根覆い、ネット被覆などに県と同じだけの補助を実施するというものだった。
令和6年度の予算を使い果たすので、クビアカツヤカミキリ対策として組まれる今年度予算は、しかるべき時期を見て補正するというものだった。ただし、今以上に被害が広がると、県と同額の補助を実施できるかどうか、懸念があるという答弁だった。

クビアカツヤカミキリ虫は、中国や韓国などから日本に入ってきた外来種のカミキリ虫。日本の生態系になかった虫なので、現時点ではクビアカツヤカミキリ虫を捕食する天敵がいない。日本に生息する虫や動物の中でこのカミキリ虫を捕食するものがいないかどうかも研究されている。農薬も県が研究しており、今まで使っている農薬で効果のあるものを発見しようとしている。
この虫は木の裂け目に卵を産んで、幼虫が木の中に入り木を食べるというもの。食べる木はバラ科の木なので、桜、スモモ、桃などの被害が大きい。近隣の自治体の中でかつらぎ町の被害が一番大きい。木の中では桃の木が比較的柔らかいので被害が大きい。木のひび割れた表皮に卵を産むので古木が被害を受ける。

桜対策も必要になるが、これは農の範囲には収まらない。県は環境省による対応が必要だという。耕作放棄地対策も重要になる。耕作を放棄された農地の場合、個人が対応してくれる場合はいいが、対策ができない場合は、被害が広がる原因となる。耕作放棄地は、林関係のように国費で対策する必要があると思われるので、国に働きかけるよう求めた。
さらに果樹ができるときに、クビアカツヤカミキリ虫の被害も拡大するので、早急に伐採・抜根する必要もあるが、これを確実に実行するためには、所得保障が必要になる。
桜対策と耕作放棄地対策、所得保障の仕組みなどを作らないとクビアカツヤカミキリ虫の対策は充実しないと思われる。国が対策を講じることを求めたい。

コンサルタント会社との包括連携の2年間の経費、これが庁舎整備支援委託料だ。2年間の経費を予算に盛りこむためには、債務負担行為を新たに設定する必要がある。
建設までの期間の設定はわずか2年。この中で建設費の概算が明らかになるのは、令和7年の6月頃。そこまで進まないと費用が見通せない。和歌山県内でPPPやPFIの手法を活用して庁舎を建設するのは初めて(田辺市の庁舎はこの形式で建てたものではない)。意思決定の具体的内容が後ろの方になり、住民との合意を形成する期間が短いところに不安が残る。本当に2年間で建設に至ることでいいのかが心配になる。

PPPとPFIについては、本も購入して調べる予定。官民連携の可能性と問題点を深く見極めたいと思っている。
町長は、庁舎建設は賑わいをつくる一つの手段という言い方をして、役場の敷地内に商業施設を併設するという考え方を打ち出している。庁舎のある場所に商業施設を作って賑わいを取り戻せるのかどうか。夢はあっていいが、市場調査によってどのような答えが出てくるのか、「それでうまくいくのか」という心配の声もある。現時点で住民には、計画の全容が語られておらず、話をすると、賛成の意見もあるが住民から不安が出るような状況もある。

それでも、今回の補正予算にぼくは賛成した。庁舎建設は必要であり、お金がないなかで官民連携という手法で前に進むことにも議員としてゴーサインを出した。今回の補正予算に対して、庁舎建設そのものには賛成だが、庁舎建設の方法には反対ということで2人の議員が反対した。庁舎建設は、議員の中で意見が分かれてスタートした。


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雑感

Posted by 東芝 弘明