Nさんの通夜に行って。
Nさんが亡くなった。
朝、おくやみに行き手を合わせて、お顔を見させていただいた。
穏やかな、眠っているようなお顔だった。
郵便局に勤めていた方で、旅行の好きな方だった。全国各地の爪楊枝入れを集めたりもしていた。
ぼくの結婚式のときには、ひな壇の花の飾りをしていただいた。11月27日の結婚式だったので、柿の木と柿の実を飾りに使うといい、どうなるのだろうと心配したりしたが、趣のある飾り付けになったので深く印象に残ったのを覚えている。
趣味の多い方だったし、新しい電気製品の好きな方だった。
ぼくは、議員になってからの付き合いの方が多かったが、畑でとれた果物や野菜をいただいたり、ハウスで栽培している花をいただくことが多かった。
気持ちの穏やかな、優しい人で小さめの目がに人柄がよく現れていた。
よくNさん宅にお邪魔して、いろいろな話をしたり、趣味の話を聞かせてもらうことが多かった。
夕食時に行ったときなどは、食卓に招かれてお相伴にあずかったことも何度かあった。
手作りのシソジュースは、ぼくの口に合う飲み物でおいしかった。
お通夜でも、お顔を見させていただき、最後のお別れをさせてもらった。
参列者の多さが、Nさんのやさしさを表しているように見えた。
冬に向かう寒さを感じさせてくれた今日、また一人大事な優しい人と別れることになった。
空はどんよりと曇っていた。
