笑いの理由
2月6日のことだった。
朝、U議員と目を合わせると、ニタニタと笑いかけてきた。変だ。
「何が面白いん」
「なんかあったん」
こう尋ねた。
「当たったんですよ」
「何に」
「牡蠣に。大変でしたわ」
「3日間しんどかったん違うか」
「そうですわ。3日でした」
「熱出た?」
「出ましたよ。37から8度ぐらいを行ったり来たり」
1月22日、久留米は雨だった。ホテルで傘を借りて信号を渡って、ホテルの前にある料理屋さんに行った。視察研修の終わった後の夕食だった。食事に出た牡蠣は、小さな器にほんの少し入っていた。
「U君、これ食べたらぼくは大変なことになるから食べて」
そう言ってU君の前に小さな器を差し出した。
賄いをしてくれた若い女性従業員は、
「当店のカキは大丈夫ですよ」と2回声をかけてくれた。
カキが新鮮なのかどうかは関係がない。牡蠣には必ずウイルスが入っている。ほとんどの人は、このウイルスに反応しないが、牡蠣にあたったことのある人は食べない方がいい。
生牡蠣は美味しい。しかし、あたってからは食べたことがない。
U君の話を聞いていると、一緒に行った町職員も大変な目にあったらしい。
忠告その1。一度牡蠣にあたった人は、もう2度と生牡蠣は食べない方がいい。これは人生上の哲学にしていい。