詐欺の電話がかかってきた
非通知で携帯電話が鳴った。いきなり音声ガイダンスが流れ、「NTTファイナンスです。料金未納につき法的措置をとることになりました。詳しい説明は1番を押してください。」というアナウンスが流れた。番号1を押すと男性オペレーターにつながった。「本人確認のため、お名前とご住所をお願いします」と彼は言った。
「NTTとは何の契約もないです」
「契約がなくても債務が発生し、請求することはあります」
「身に覚えがないですけど」
「それでは法的措置に移らせていただいてよろしいですか。本人確認をさせていただいてよろしいですか」
「非通知設定でNTTファイナンスからこのような形で電話がかかることってありますか。文書もなしに」
「はい、そういうことはあります」
電話の向こうでは、いろいろな声が聞こえ、オペレーターが忙しく話をしている感じだった。
「そちらから掛けてきたんだから、こちらの名前も住所も分かっているでしょう。どうしてそちらから本人確認をおこなうんですか」
「それでは法的措置に移らせていただいてよろしいですか」
「いえいえ、そんなことは言っていません。ほんとにNTTファイナンスですか。私はこの電話がNTTファイナンスかどうか疑っています。こちらからNTTファイナンスに電話して、そこにつながることはできますか。今NTTファイナンスのサイトを見ています。そちらへの連絡先を教えてください」
「それはできないです」
「どうしてですか」
「いいですよ。法的措置に入らせていただきます。お客様の意思でそういうことでいいですよね」
「そんな話はしていないです。この電話は本当にNTTファイナンスからの電話なんですか。いきなり非通知設定で債務の請求なんかするんですか」
「そういうことはあります」
「この電話、詐欺じゃないんですか。あなたのお名前を教えてください」
相手は少し黙って「○○です」と言った
「下の名前はなんていいますか」
「○○です」
「協力いただけないので法的措置に入らせていただきます」
オペレーターは最後にそう言って電話を切った。
電話を切ってからNTTファイナンスのサイトを検索すると次のような注意書きが出てきた。
担当者の名前も名乗らず、債務があるといい、法的措置に入ると言って名前や住所を聞き出すというようなことはあり得ない。NTTファイナンスもかなり迷惑しているだろう。
