「町政を良くしたい」

昨日の夕方、反省会をしようという呼びかけがあったので、いそいそと出かけていった。お店には準備中という衝立があった。
「あれ、ここで良かったかな」
と思いつつ、手動でお店の扉を開けた。奥の部屋でKさんが何やら立って動いているのが見えたので安心した。
部屋のテーブルには焼き肉用のコンロがはめ込まれている。
「お水を張らしてね」
ヤカンを片手に持った賄いのSさんが、そう言ってコンロの周りに水を張った。
「水張ったらね、いいみたい」
「ここには換気扇があるんかい?」
「あるで、2つ。なかったら煙が充満しちゃうもん」
彼女はそう言って立ち上がり、
「もうお肉持ってくるわよ。飲み物は何にする?」
そう聞いてきた。
少し遅れて、Nさんがやってきた。3人はコの字型にテーブルを囲んで、焼き肉を焼き始めた。
「カンパーイ」
話はいきなり政治の話になった。高市さんによる日米首脳会談が話題の口火となった。
「『世界中に平和と繁栄をもたらせるのは ドナルド(トランプ氏)だけだ。諸外国に働きかけてしっかりと応援したい』っていう話はやばいですよね」
ぼくはそう言った。お肉は柔らかかった。換気扇のおかげか、水の力か、煙はそんなに充満しなかった。
ぼくをお誘いしてくれた2人は、政治の動きを的確に把握している人たちだった。
お開きの後、妻に迎えに来てもらった。
家に着くと眼鏡が見当たらなかった。
「また忘れてきたみたい」
お店に電話を入れると、すぐに眼鏡については確認ができ、
「置いておきますね」
となった。
それで今朝、9時にお店に眼鏡を取りに行った。そのついでにモーニングサービスを注文した。喫茶店でパン付きのモーニングサービスを注文するのは10数年ぶりかも知れない。
聴濤弘さんの『地球限界時代とマルクスの「生産力」概念』という本を読んでいると、顔見知りのMさんがぼくの前に立った。背の高い人だ。グレーの上着を着ている。
「ここかめへんかい。時間あるかい」
ぼくの向かいの席に坐る了解を求めてきたので、
「はい、時間はあります。いいですよ」と言った。
Mさんは席に坐ると、「どうない?」と聞いてきた。
「今の町政についてですか」
そうだという話だった。ひとしきり町政のことについて、話をしていると、Mさんはこう言った。
「オレは保守やけれどな、みんな、どんな人間でもご飯が食べれて、生活できる世に中になってほしいんや。お金は必要なときに使わんとな。持っとったってしゃあないやろ」
ぼくは目頭が熱くなった。
「あんたは、あんたの信念であんたの思うようにしたらいいんや。あんたも町政を良くしたいと思って動いとるやろ」
世の中には、自分のことよりも人のことに対し一生懸命になる人がいる。ぼくは、相談事ばかりして、人のために「したらんとしゃあないやんか」と言って笑って動き回っていた、亡くなったOさんのことが思い出され、目の前のMさんに重なった。









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