9月会議、議場の風景

かつらぎ町議会

議場の扉は、いつも右半分が開けられている。議長席の後ろに入ると、通路が左右に分かれる。どちらから入っても議場の端に出て中に入ることができる。
天井は高く空間が広い。床にはクリーム色の絨毯が敷かれており、椅子は明るい水色、机と壁は落ち着いた深い茶色になっている。
議場の両サイドは大きなガラス窓になっている。今日の朝は、秋の始まりの明るい光が差し込んでいた。

議員の席と向かい合う形で町当局が並んでいる。真ん中の一段高いところに議長席があるので、右と左に分かれて町長と教育長、及び課長が座っている。
向かって右側の最前列に教育長が座り、8人の課長が、ひな人形のような並び方をしている。ひな人形にしては、カラフルな着物を着ている人も、ちょんまげを結っている人もいない。
左側の最前列に町長が座り、横に副町長がいる。この左側には13人が座っている。
クールビズなので、みんなノーネクタイ、ブルーのシャツが1人、グレーのシャツが2人、あとは白いシャツを着ている。
真ん中の高いところには議長が座り、その右横には議長をサポートするために議会事務局長が座っている。
議員の席に座っているのは11人。2人の議員が亡くなっているので、これだけしかいない。議場にいる34人の中で女性は1人だけ。前列に座っている女性議員はクリーム色のスーツを着ていた。

「定足数に達していますので、ただ今から9月会議を始めます」
議長が宣言して議会が始まった。
町長があいさつを兼ねた発言を行った。決算の状況のあと、本町が健康寿命日本一を目指すという決意が述べられた。大胆な提起だった。
財政状況の報告、人事案件が終わったときに議長が発言した。
「○○課長から発言の申し出がありますので、これを許します」
「議長、番外」
「○○課長、○○君」
課長は、2つの事柄について、報告と説明を行った。聞きながらメモを取った。
妙寺駅の駐車場の話と職員の残業代未払いの話だった。許されるのであれば、質疑をしたいような中身だった。
「本町が、議員に対し、どんな問題でも率直に事実を述べたり、認めるような答弁がなされるのはいつのことだろう」
こんな言葉が浮かんできた。
「そうなったら住民は行政を信頼するのになあ」
妄想が浮かんできた。

議案の説明が始まった。説明が終わると各課長は、「ご審議のほどよろしくお願いします」と締めくくる人が多い。議員になった23年前は、「ご審議・ご可決たまわりますようよろしくお願いいたします」という課長が多かった。そういうことを考えはじめると、現在の「ご審議のほど」といういい方が、気になってくる。
「可決しなくていいの?」という突っ込みが浮かんで消えた。

午前の終わり頃に24年度決算の提案説明が行われ、午後、歳出から提案説明が再開された。
議案の説明が進み、5時近くになると何人かの議員が少しざわめいた。議会は9時から5時までという取り決めがある。5時を過ぎる場合、議長は、「議事の都合上、あらかじめ時間を延長します」という宣言をしないと会議を延長できない。
議長は、分かっているよというサインを送って、あと10分で5時になるという地点で、会議の延長を宣言した。

かつらぎ町は、課長や町長による説明責任を重んじてきた。
3月の提案説明などは、いつも午後7時を超える。朝の9時から夜の7時まで、延々と提案説明が行われる。言葉を発しないで聞き続ける作業には値打ちがある。

今日の議案説明は5時10分頃に終了した。
頭にどんよりとした疲れがたまっていた。

かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明