正職員として保育士を雇うとは申し上げられない
かつらぎ町は、保育所の保育士が臨時的任用職員に置きかえられ、もうすぐ正規職員の人数を超えてしまう。今回の一般質問では、保育士の確保が非常に困難になっていることを具体的に明らかにして、正規職員の雇用を訴えた。
町長は、「私としては気持ちの上では、正規の職員を雇いたいという思いはありますが、職員の定数の問題もあって、雇用するということを私の一存では、今日、申し上げることはできません」
という主旨の答弁をおこなった。
一般質問は、発言通告制を取っている。したがって、事前にどのような主旨で質問をおこなうか、明らかにしている。事前の町長を交えた課長の方々との打ち合わせの中で、ぼくは、「かつらぎ町は正規の保育士を雇わないという方針をとっている。いったい誰がこのような方針を決めたのか、それだけはお答えいただきたい」といって見解を求めた。このときに明確な答えは返ってこなかった。
町当局は、一般質問の前に町長、教育長も参加して課長との庁議という会議を開く。ここで答弁内容についてはすりあわせもおこなわれる。
おそらくこの庁議で、正職員の保育士を雇うのは困難ということが申し合わされたのだと想像する。それが、「雇用すると私の一存では申し上げられない」という答弁になったと思われる。
ぼくは、この答弁を聞いて、すぐに「一般質問は通告制を取っている。私の一存では申し上げられないというのは、庁議で雇わないということを決めたということでしょう」と切り返した。
事態の深刻さを知っているのに、まったく手を打たない町当局というのはいったい何なのだろう。
「地方自治体には人情がない」と言ったある町長の言葉が蘇ってきた。