事務所の電話工事
岩出で会議があったので、お昼は急いで事務所に戻った。途中自宅に寄った。おばあちゃんがお弁当を用意してくれていたのを知っていたので。春雨スープのカップを台所のストックから一つもって、お弁当と一緒に小脇に抱えて家を出た。
「ただいま」
「時間がないので事務所で食べます」
これがぼくのセリフだった。
事務所に到着すると、Office24のハコバンが事務所に停まっていた。ドアを開けて中に入ると工事が始まるところだった。電話機のとネットのサーバー機器の総入れ替えだった。本体のハブの交換もなされる。今までは、設置されていたハブがネックになっていたので、今回の工事で1Gbpsの回線に対応した速度が出るかも知れない。事務所の電話は、ビジネスフォンで1階に3台、2階に1台設置されている。光電話でこの電話が常時設定されたiPhoneとつながっている。
事務所の人間が外に出ていても、事務所の電話となっているiPhoneで電話に出ることができる。「これは便利。いいでしょう」という話だ。その代わりどこにいても仕事をしなければならない。
人が最も行動を起こすのは、1対1の対話によるという。考えてみると本当にその通りだと思われる。してほしいことがあると電話を掛ける。電話を受けた人間は、その電話に対応して行動を起こすことが多い。会議で「よしこうしよう」と決めたら、あとはみんな自覚的に動くというのは、どうも違うらしい。そのあと、1対1で話をしてアクティブに行動が始まるように背中を押せば、もっと人は動く。
事務所には2人の人がいたので、工事の人の受け入れが行われていた。ぼくはお弁当を暖めるために冷蔵庫の上に乗っている小さな電子レンジにお弁当を入れ、ヤカンでお湯を沸かした。お弁当は鮭弁当だった。春雨スープはトマト味だ。食べている間、コミュニティオーガナイジングの資料を読んだ。組織のなかで、どうすれば民主的に運動を起こすことができるのかということを具体的に書いている資料が、インターネット上にある。この理論を身につけることが、運動を発展させる上で非常に大事だと感じている。
組織は、誰か、組織運営に長けた人が長になったらうまく運営されるというものではなく、もっと科学的に分析された理論によって、誰でも習得可能であり、多くの幹部が組織運営のイロハを学んで組織を動かせば、もっと運動は民主的に発展するということだ。
そういうものなので、どうしてもこの理論を学んで見たいと思っている。
娘に触発されて、心理学を学ぶ気持ちになって、「アドラー」に手を出した。因果論や原因論を重視する心理学と目的論を重視する心理学があるようだ。アドラーの心理学は、目的論を最も重視している。人間の問題行動などを過去に遡って原因を突き止めて明らかにしようとするのが因果論や原因論だが、この探究の仕方は、親の育て方に問題があったというようになりがちだ。全ての原因は母親になるみたいな何だか恐ろしい結論が透けて見えるような感じだ。
でも同じ母親から生まれた子どもでも、すべての子どもが不登校になったり引きこもったりするかといえば、そんな風にはならない。3人の子どもがいて、3人が同じだったら因果論、原因論にも説得力はあるのだが、どうもカウンセリングで過去に遡って原因を追及するというのは、最良の方法なのだとは思えない。アドラーは、因果論、原因論に対して因果や原因を認めつつ、それよりも目的論を重視する。人間の行動には、その人が良いとする理由がある。目的があって全ての人間は自分の行為を決定している。
たとえば、引きこもっている人は、過去のトラウマに囚われて引きこもっているのではなくて、自分を社会から遮断して自宅の一室にこもるのは、そうすることが自分の身を守ることにつながっており、親の庇護を受けることも自覚しているからだ。アドラーはこういう見方をしている。
「ぼくだってやればできる」と言って、具体的努力をしない人は、やらない原因があるのではなく、具体的努力をしないことによって、「やればできる」という可能性を残しておきたいからだという。具体的な努力を行って、やってもできなければ、自分の可能性が否定されてしまい、「やってもできない」ことを思い知らされるので、それが恐ろしくて「やらない」のだ。とアドラーは考える。なかなか面白い見方だ。
もちろん、その人がそうなった歴史というものはある。その歴史は重要だが、今現在の行為は、目的論の方が大事になる。アドラーの考え方で言えば、何らかの行動を起こさなければ、現在の行為を変えることができなくなる。多くの人間の成長は、新しく何かを始めることによってのみ変わるというのは、全くその通りではないだろうか。
事務所の工事が終わって、契約書にサインをして、電気と電話、ネットをすべて一括して契約することになった。電話リース代がいままでよりも3000円高くなるが、プロバイダー料が会社変更により安くなり、さらに電気代が関西電力よりも安くなるというので、総トータルの費用が確実に下がるというものだった。プロバイダー料が半額になるのは間違いなく、電気代が安くなれば、今回の工事は単なるセールストークによるだましではなくなるので、実際に安くなることを期待したい。
セールスでお世話係のように足を運んでくれる人は、40歳になった独身男性。さわやかで誠実な感じだが、
「独り身なので食生活が悪いですよ」と言っていた。
別会社に出向させられて、「いい体験をしました」とも。日本のビジネスマンは、やはり過酷な中で生きている。










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