車外は無音の世界のように

出来事

橋本からの帰り、京奈和自動車道にも枯れ葉が舞っていた。舞い上がる枯れ葉の中に車が突き進んでいく。車の中から見ていると、車外は音のない世界のように見える。アマゾンプライムのストリーミング再生で薬師丸ひろ子のアルバム『エトワール』が流れていた。澄んだ声が澄んだ空気の中に溶けていく。背の高いススキが道路の両側の壁を越えて伸び、風に揺れている。
澄んだ空気がいいのか、冷たい空気と乾いた空がいいのか。この季節には、からりとした明るさがある。

橋本から戻って事務所に立ち寄って、5分ほどしてから笠田駅に兄貴を迎えに行った。兄貴がずいぶん世話になった人が亡くなり、今日、告別式があるので兄貴に来てもらった。脳梗塞になって、ほとんど会話ができなくなった兄貴は、妹に送り出されて和歌山線に乗って駅に着いた。昔よりもよく笑うようになった。こちらが言う話はほとんど理解できているように思う。でも思ったように言葉は出てこない。

告別式に行くと兄貴を呼び止めて話しかける人が多かった。棺に2人で花を添えた。こんな風にどれだけ多くの人の棺に花を入れただろうか。親しい人もずいぶん亡くなった。見送る人が多くなったと思っているうちに、自分自身の年齢も60になるところまで来た。

「人生は短いよね」
昨日、議会が終わったあと、懇親会があったがその席上でそう言って笑ったことが思い出された。人間の一生でそんなに多くのことはできない。できないまま寿命の方がつきていく。そんな感じもする。


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Posted by 東芝 弘明