進化はランダムに起こる
車の車検に行ってきた。トヨタの1時間車検は、ほんとに1時間で終了する。2年前はタイヤを交換したので今回よりも高かった。今回も定期点検のメンテナンスパックに入った。よく分からないが入っても入らなくいても同じような価格になる。
「ほとんど価格は変わらないですよ」
サービスマンの男性はそう言ったので、
「今回もメンテナンスパックで」
と言葉を返した。
定期点検を行うと、時々悪いところが出てきて修理という形にもなってきたが、どこも悪いところなしに車を動かすことができてきたので、今回もお世話になることにした。
座っていると注文を聞いてくれて、コーヒーなどが出てくる。以前は、クッキーなどがついてきたが、今回は飲み物だけだった。コロナ対策なのかも知れない。
ブログにAmazonなどの商品リンクを載せてみようと思って、色々試してみたがうまく行かなかった。時間が来たので郵便局と役場に配達に行って自宅に戻った。夜の7時30分をまわっていた。Amazonリンクの作業を再開して、あれやこれや試してみるとだんだんやり方が見えてきた。そんなこんなで、かなり時間がかかったがようやく設定できるようになった。
リンクを張れるようになったので、最近買った本を載せておこう。この本は、『続わけあって絶滅しました』と『ざんねんないきもの事典』というものだ。動物の進化は、かなりランダムなものであり、環境に合わせて合理的に変化していくものではない。適者生存のように見えるが、進化の方向が環境に適合するように起こるものではないから、ほとんどの生物は絶滅してきた。この本によると99.9％の生物は絶滅したらしい。この本の中には、背中に甲羅ができず、お腹に甲羅ができた亀があり、身を守ることができなかったので絶滅したと書かれていた。実際の絶滅にいたるプロセスはどういうものだったかは克明に分からないが、変な進化の仕方によって、環境に適応できなかったのは確かだと思われる。羽毛ができたのに空を飛ぶことのできなかった動物や、やたらトサカが大きくなって頭を支えにくくなった鳥とか、いろいろな動物のケースが掲載されている。
弱肉強食、適者生存というように見えるだけであって、進化のプロセスと生存の形は、そんな簡単なものではない。強い種族になったがために環境の変化について行けず滅んでしまったもの。草原が広がったことによって、歯が進化できず食料を十分取ることができなくなって滅んだものなど、いろいろなケースがある。
人間は、前足が地面から自由になることによって、2足歩行となり、大きな脳を支えることができるようになって進化していき、言葉を獲得することによって情報の伝達と蓄積を果たすようになった。自由になった手によって労働を行い、火を操れるようになり食べ物の幅が広がり、服を着ることによって体温調節ができるようになって、かなり幅の広い地域で生きることができるようになった。この数行に書いたことが実現できるまでにどれだけの時間が必要だったんだろうか。
娘は、哲学の勉強の中で、類人猿は、自分以外の他の類人猿から食料を求められたら分け与えるが、これに人間は、自分以外の人間が求めなくても、他の人間のことを想像して、食料を分け与えるという文献を見つけた。類人猿と人間の違いは、自分以外のものに共感できるところにあるのだという。しかもこの共感という感覚は3か月の赤ちゃんにも備わっているのだという。
進化とは何なのか。どうして人間の質に関わる何らかのものが、個体から個体へと受け継がれていくのか。この辺のところはよく分からない。同じ環境で同じように育った同い年の人間でも、性格は大きく違ってくる。性格の違いは、生まれ持った性質の違いとして厳然とあると思っている。人間は、全くの白紙状態でこの世に生まれてくるのではなく、何らかの形質のようなものをもって生まれてくる。それは、脳のほんのわずかな違いなのかも知れないが、外界からの刺激に対する反応の仕方が、人間の個体によって違いがあるということだろう。この違いが大きい人は、障害があるという形で認識されることになり、一定の幅を持って、通常の反応の範囲内にある人は「性格の違い」として受け止められるのだと思っている。
生まれたときから、その人をその人たらしめる意識というものはないと思っている。つまり、肉体から独立した霊魂や精神はないと思っている。あるのは、外界から受ける刺激に対する反応の仕方の違いだ。この違いは脳や体全体によって行われているが、この反応の仕方の違いの中には、遺伝的に受け継がれたものもあるだろう。生まれつき性格が決まっているかのように見えるのは、この反応の仕方の違いによるのではないか、というのがぼくの認識だ。
この面白い本に戻ろう。適者生存なんていう進化の仕方はない。進化は多方面にランダムに引き起こされる。
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