スパッと切れた

出来事

昨日、寝る前に水を飲もうとした。食器棚の一番下の棚にガラスコップが並んでいる。背の低いコップを手にして持ち上げようとすると、コップをつかみそこね、指先からコップが落ちて砕け、破片が床まで落下した。一つの小さな破片が左手の薬指に刺さり、床に落ちた破片で右足の向こう脛の外側がすっぱり切れた。

手から落下したコップが、引き戸の溝に当たった。その高さは10cmほどだった。この高さで割れるのか。手に痛みを感じながらそう思った。ガラスは当たり方によって、みごとに砕けることがある。薬指に刺さった破片を指から引き抜くと血が出てきた。足を切ったところからも血が流れはじめた。
ティッシュで止血して、脱脂綿とマキロンと絆創膏だと思って薬の入った引き出しの一番下を開けた。古い色の変わった絆創膏しか見当たらない。マキロンがない。探していると指と足から血が垂れてきた。
赤い血が流れているのは新鮮だった。こんなに血は流れるのか。

探していると妻がお風呂から出てきた。コップが破れて手と足を切ったというと、化粧を落とすための脱脂綿を出してきて絆創膏で手当てしてくれた。応急手当をした後、破れたコップを片付け、ガラス片は掃除機で吸い取り、コンビニに買い物に行くことにした。
セブンイレブンが一番近い。お店に入り斜め左手、コピー機の前あたりの棚に絆創膏とマキロンが並んでいた。マキロン450円という値段にためらい、絆創膏だけ買った。3種類の大きさがセットになったものだ。
「マキロン、あったけど買わんかった」
家に戻ってそう説明すると、「なんで買わへんの」と言われたので、もう一度セブンイレブンに行った。さっき来たやつが絆創膏を買って、10分もたたないうちにもう一度来てマキロンを買って行った。というシチュエーションになった。同じ店員に対面するとちょっと恥ずかしい。店員に聞いてみたい。「さっき来たやつが」と内心思ったのか思わなかったのか。

ガラスコップの破片が床に落ちる力で、スパッと皮膚を切ってしまう。長さ5cmほど切れたのは見事だった。なかなかこういう切れ方はしない。破れ方が見事だったのか、落ちた角度が見事だったのか。膝ぐらいまでの短パンを履いていたのが運の尽きだったのか。偶然の組み合わせが見事に形をなして、怪我をするということがある。偶然の組み合わせには芸術を感じた。


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出来事

Posted by 東芝 弘明