真理は具体的
18歳で日本共産党に入って46年。自分の生き方の中心に日本共産党の存在がある。共産党の議員だし。思うのは、日本共産党にとって政治的な課題は、常に具体的だということだ。日本社会の中で一体何が問題で、それを変えるためにはどうすればいいのか。党の歴史の中で膨大な政策を日本共産党は持っているが、つねに具体的な事実に対して、具体的にどう考えて行動すべきなのか。この点に日本共産党は貫かれている。
曖昧で抽象的な言辞とはほど遠いところに日本共産党の活動がある。したがって、今回の衆議院選挙で訴えていることも具体的だ。共産党の演説には、具体的な中身がある。ここが他党との違いだと思われる。
真理は常に具体的。真理を発見するためには、入り組んだ問題に分け入って、何が問題で、どこに原因があり、どう解決すればいいのかという見通しが必要になる。この点で日本共産党に入ってよかったと思っている。学びの道に終わりはないというけれど、学ぶ楽しさ、生きる楽しさは、日本共産党に入ったことによって得られたものだと思っている。
少子化にしても日本における都市と農村の格差、田舎の疲弊した姿。これを生み出した原因は、政治や経済にある。問題を見極めるためには、戦後の歴史の中でどうしてこのようなことになったのかという分析と展望が必要になる。政治の責任も具体的だ。政権党がとってきた政策の何処が間違っていて、どこをどう正さなければ、日本の経済は立て直せないというのは、社会科学のテーマでもある。
そういうことを一切語らない政治の世界がある。内容のない中空思想という指摘をおこなったのは河合隼雄さんだが、やはりそれを感じる。
自民党が日本を変えると言っている。政権党が何をどう変えるのか。そこにはどうしても自己を見つめ直す謙虚さが必要になる。そういうことを一切語らないで「変える」という。それは「変えない」という態度表明に等しい。ぼくにはそう聞こえる。



