町内会が後援会入会書をもってまわった

出来事

議会が始まった。衆議院選挙の予算が専決処分で組まれ、質疑と承認がおこなわれた。
質疑では、ある地域で自民党の候補になる人の後援会申し込み用紙が、町内会の役員を通じて配布され、入会を促された問題を取り上げた。

少し前に「町内会が講演会の申し込み用紙を配ってきた。町内会のその人は、嫌々やっている感じだった。後援会には入るけども、こんなん、おかしいんと違うか」という電話があった。
「そういう話なら、選管に電話を入れてみて」
ぼくがそういうと、その方は選管にも電話を入れた。
3分ほどして電話が鳴った。
「選管は『調査をして報告します』というさかいに、俺に報告せんでもええさかいに、『革新系の議員に報告してくれ』って言って電話を切ったんや」
その方は選管とのやり取りを報告してくれた。

質疑では、この問題を取り上げた。
「町内会が、後援会の申し込み用紙を配布して、後援会員の入会を求めるのは、思想信条の自由、自由な選挙に違反する可能性がある。選挙管理委員会は、選挙違反があればどう対応するのか、公務員には、犯罪を告発する義務がある。こういう事例の場合、どうするのか」
「選挙が厳正に行われるよう管理する」
「問いに答えていない。職員は、その方に『調査をする』といったが、課長はこの報告を聞いているか」
「報告は受けていません」

答弁をおこなったのは総務課長だ。
全く答弁になっていない。

選管に電話を入れたのに、詳しい話も聞かないで、「調査します」という話はないだろう。
選挙違反が疑われる場合は、いつ、どこで、どういう形で後援会ニュースが配布されたのか、あなたはどういわれたのか、その時の対話はどうだったのかを聞く必要がある。こういうことをほとんど聴かないで、「調査します」というのはおかしい。

選挙管理委員会は、文書違反などについては調査をして連絡してくる。
「違反しているので撤去してください」
どういう問題が、選挙違反にあたるかどうかについても答えてくれる。

今回の対応の仕方は、まったくまともに取り上げる気のない対応だった。
総務課長は、選管の書記長にあたる。選管は選挙管理委員長のもとで事務を執行する。書記長である総務課長にも報告されず、選挙管理委員長にも報告されない「事務」というのはいったいなんだろうか。

選挙を管理できていないのではないだろうか。

自民党の方々は、町長を後援会長に、各自治区長を後援会の役員にして選挙をたたかうことがある。各種団体が結集する場合もある。自治区から町内会長へ後援会文書が配布され、熱心な地域では、町内会や班を通じて後援会員の勧誘が行われる。こうなるとなんだか役場が自民党候補を応援しているように見える。
自由民主党には、日本共産党のような組織はない。都市部では企業による締め付けが行われるケースがある。農村部では、自治区、町内会が選挙の「母体」のようになるケースがある。

かつらぎ町では、井本町長が石田真敏さんの後援会長であり、各自治区の区長が後援会の役員に組み込まれている。もちろん、区長が拒否することもできる。過去には、選挙への協力を拒否したケースもあった。その場合は、副区長が区長の代わりを務めた。
かつらぎ町内では、すべての自治区が、後援会員の入会を自治区・町内会を通じておこなっている訳ではない。そういうことを嫌っている傾向も生まれている。でも、地域によっては、昔ながらのやり方で後援会を組織している例もある。選挙のたびに、町内会を通じて後援会員を組織するような動きが出れば、目に見えることがある。でも全貌はなかなか明らかにならない。
公正な選挙というのであれば、選管はこういう実態を把握すべきではないだろうか。

党組織を作り、後援会員を地道に組織して選挙をたたかうところで日本共産党は苦労している。各種団体(団体の性格にもよる。すべきでない団体もあるし、してはならない団体もある)が推薦を決めるのはありうる。ただし、その場合も構成員の思想信条を守る必要がある。文書の配布の仕方には、押しつけにならないような配慮が必要だ。
でも、すべての住民を組織しようとしている自治区、町内会が、選挙で特定の候補者を推薦し、運動することについては、極めて問題が多い。自治区役員会や町内会の役員が全員一致で特定の候補の推薦を決めるのはいいとしても、それをもって区を上げて応援すべきではない。区民総会が開かれ、すべての人が納得して満場一致で推薦を決めた場合は、区民の総意で選挙をたたかうということになるかも知れない。しかし、その場合でも、地域内には他党派の支持者が必ず存在する。そういうことを考えると、自治区、町内会を通じて後援会員の入会を促進するのは、かなりおかしいことになる。

後援会長である井本町長は、後援会活動のあり方をどう考えているのだろうか。

出来事

Posted by 東芝 弘明