「緊急事態基本法」制定を求める意見書、可決
ようやく議会が終了した。
議会の最後に取り扱われたのは、「緊急事態基本法の早期制定を求める意見書」だった。この法律の制定を目指す取り組みは消えている。結局自民党の「2012年版憲法改正草案」には、「緊急事態基本法」の基本的な観点がすべて入っている。ことの経過から見ると、「緊急事態基本法」は、日本国憲法の改正を必要とするものであり、基本的人権を徹底的に制限するなかでしか実現できない有事法制的な性格をもつと言えるだろう。
自民党の「2012年版憲法改正草案」の基本は、9条を改正し国防軍をつくり、自衛のための戦争に道をひらくとともに(ここでいう自衛のための戦争には、第2次世界大戦のときに日本が行った大東亜共栄圏を建設するための戦争も含まれる。日本国が自衛のための戦争と定義すれば、すべての戦争は自衛戦争となるという意味だ。結局はどんな戦争でもできることになる)、戦争遂行に不可欠な基本的人権の制限に最大の特徴がある。基本的人権の制限と「緊急事態基本法」とは、密接不可分にリンクしている。
かつらぎ町の多数の議員は、ほとんど深い議論なしに、「緊急事態基本法の早期制定を求める意見書」を提出することを決め、どのような審議がおこなわれようと賛成して可決するという態度をとった。
ぼくは、この法律の制定が破綻した経緯を紹介した。2005年5月20日に自民・民主・公明の3党で法案の骨子に合意したにもかかわらず、1年後の2006年5月23日、自民党政府は、民主党に対して「緊急事態基本法」については、法律を制定する必要がないことを伝えている。これに対し、民主党は怒りの記者会見を開いている。しかし、このことによって議論は収束し、その後、「緊急事態基本法」制定の動きはなくなっている。結局、自民党は、日本国憲法を改正しないとこの法律は実現しないという見解にいたり、「2012年版憲法改正草案」に基本を書き込んだといっていいだろう。
自民党のこの「憲法改正草案」は恐ろしい内容を持っている。「国民の権利」も「表現の自由」も「財産権」も現行憲法は、永久の権利として保障しているが、「憲法改正草案」は、すべて「公益及び公の秩序」に基づいて制限をかけることがうたわれており、基本的人権を人類の多年にわたる自由獲得の成果であり、侵すことのできない永久の権利である憲法第九十七条(「第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」)を全文削除するものになっている。
この「憲法改正草案」は、国家が国民を支配した戦前の大日本帝国憲法への回帰としかいえないものだ。
憲法改正を必要とする「緊急事態基本法」を深い理解もなしに取り上げて意見書を可決したことは、かつらぎ町議会の汚点になると思われる。提出者になった議員は、質疑に対してまともに答えられなかった。無責任だと批判させていただいた。提出した議員の責任も大きいが、質疑を聞いて、経緯や「緊急事態基本法」の本質が明らかになっても、質疑には関係なしに多数で押し通した議員の態度はいただけない。意見書に賛成した議員の方々は、賛成討論さえしなかった。黙って賛成するのはいかがなものだろうか。
議案は少なかったのに、天野小学校の廃止や下水道料金の値上げ、水道料金の値下げ、「緊急事態基本法」についての意見書など盛りだくさんの議会となった。この議会の最中に総選挙が行われた。最終日の準備に2日もかかった議会というのも初めての経験だった。









ディスカッション
コメント一覧
東芝さん…長文の時、読みやすく句読点を利用して改行とかspaceを使ってください!
今日、ゆったりとしていたのでじっくりと読むことができました。
すごく大切なこととかたくさん書いてくれてはるのに…
ちょっと読みづらいなぁ〜と…敬遠していました。
そして、これまでちゃんと読んでなかったことがめっちゃもったいなかったと思いました。
これからは、少し読みやすい形状で…どうか、よろしくお願いします。
「読みやすい形状で…」
なるほど。気をつけます。
勢いで書いているので、読み手のことをあまり考えていないことが多いですね。
もう少し、せっかく読んでくださる方のために工夫するようにします。
ありがとうございました。