震災と反動、震災と希望
3.11の東日本大震災は、私たちに政治や社会のことを根本的に考える大きな契機となった。多くの良心的な人々が、3.11を起点にして根本的な問いかけをし、再出発ともいうべき変化を起こして、立ち上がった。
しかし、この根本的な変化を押し流すように、3.11を契機に、より一層政治と経済を悪化させる力が働いてきた。日本の政治と経済を支配している勢力は、震災をきっかけにより反動的に、より退廃的に政治を悪化させ、劣化させてきた。
社会を揺るがした大震災が、政治や経済をより劣化させる負の変化を引き起こす力をも持つことを考えずにはいられない。このマイナスの流れは、原発再稼働への欲求にしがみつくという動き、被曝の現実を覆い隠し、事故を小さく扱う流れを強めているところに、震災復興に対する冷淡な政治的対応に、典型的に現れている。
2年経ったらメディアは、思い出したようにその前後だけ被災地にカメラを向けた。一体何が問われていて、何が支援として必要なのか、なぜ復興が遅々として進まないのかを、積極的に明らかにしようとするテレビはほとんど存在しない。
本当に問われている問題には目を背けつつ、民主党政権の崩壊の結果生まれた安倍政権の経済政策をアベノミクスと命名して、その政策が、さも経済を浮上させるかのような「宣伝」に狂奔している。日銀が70兆円もの紙幣を印刷して、銀行などが抱えている国債を購入することを明らかにすれば、ほぼ手放しでこの政策を評価するコメンテーターをテレビに登場させて、持ち上げている。株価が上昇すれば、絶賛とも呼ぶべき態度が出てくる。
TPP推進の旗振りも異常な形で進んでいる。
震災によって、国民が深刻な問題に直面し、考え、立ち上がったことは、国民の目から見れば、大きな希望だった。原発再稼働反対、自然エネルギーへの転換、原発の廃棄という世論の目覚めは、国民にとっては、21世紀に未来を感じさせる根本的な変化だった。しかし、国民にとって希望に見えるこの根本的な変化は、現在の政治や経済を牛耳っている勢力にとっては、体制維持を根底から揺るがしかねない大きな「危機」だった。
この「危機」に対してどう対応していくべきなのか。
支配的な勢力は、こういう問題の立て方をして、原発再稼働に舵を切り、放射能汚染を小さく描き、事故の収束宣言をしたのだ。自民党政権が誕生したとき、手のひらを返して安倍政権を持ち上げて、さもアベノミクスに展望があるかのように、いっせいにそれを「宣伝」したのは、深刻な体制的「危機」に直面した勢力の必死の反撃だったのだ。
震災が生み出した人間の連帯と団結が、反動的な政治の出現という「反撃」を引き起こしたのは、まさにこの国が、一握りの階級によって、圧倒的多数の国民が支配されているからに他ならない。ここには、進歩が反動を呼び起こすという政治と経済の弁証法がある。
自民党政府による現在の経済対策は、国民生活をよくする力を持たないことが明らかになりつつある。市場に紙幣をジャブジャブ投下することによって、マネーゲームが始まろうとしている。その結果、地価の高騰や土地の売買やバブルのような状態が生まれたとしても、2極に分裂した富める経済と貧しい経済は、水と油のように混じり合わないで、富める側には儲けを、貧しい側には貧困をもたらすことになる。
この常軌を逸した経済政策は、近い将来、ものすごい矛盾となって私たちの生活にのしかかってくる。1992年のバブルの崩壊以降、失われた20年というような事態になったが、バブル再燃以降の経済的な破綻は、日本発の世界恐慌というような様相を呈するかもしれない。
国民に格差と貧困を増大させるような政治と経済は、安定的な基盤を持たない。だからこそ、自由と民主主義を破壊しながら憲法を変えるという、極めて反動的な方向を指向せざるを得なくなる。強権政治は、支持基盤が不安定だからこそ発生する。
自民党の憲法草案に対し、マスメディアは、根本的な批判をしない。この憲法草案は、国民を支配するものになっている。国民を支配するためには、基本的人権を破壊しなければならない。こういう国を作らないと体制を維持できないという告白が、自民党の憲法草案には現れている。
3.11の震災が引き起こした諸問題に真正面から向きあって、連帯し力を合わせて復興へ、できることをしたいと思う。原発の廃棄やTPPに対し、徹底的に連帯して力を発揮したいと思う。
希望は、私たちの連帯の中にある。人間の連帯の中にこそ展望がある。私たちが結びあった手のひらの温もりの中に希望の光がある。希望の灯は消えない。灯を消そうとしている反動的な動きを押し返せば、希望の光は強くなる。
私たちの希望の光が大きくなればなるほど、それを「危機」としかとらえられない勢力がある。この勢力と国民は向きあっている。この綱引きに打ち勝って大きな流れをつくりだせば、21世紀の展望は開けてくる。
社会は、極めて多様な形で成り立っている。私たちの流れが歴史の本流になれば、新しい条件が育ってくる。企業は、新しい流れが主流になれば、それに合わせて変化していく。その中で企業の発展も生まれてくる。
古いものが壊されて、新しいものが台頭してくるという交替も行われる。
国民の連帯こそが、新しい発展の条件を生み出して行く。
国民こそが政治と経済の主人公。ここに発展の土台がある。









ディスカッション
コメント一覧
先日のノー消費税の署名活動でも、今までにないほどたくさんの人たちが、呼び賭けに応じてくださいました。
多くの人たちは、より良い暮らしのために何をすべきかを、真剣に模索していると実感しました。
希望の灯をあかあかと照らしましょう。
署名ご苦労さまです。
震災によって、多くの人々が、自分たちの生き方を考えたと思います。そこから真実を真っ直ぐに見る目が増えていると思います。運動はものすごく大きくなりました。
これに比例するように、この運動を抑える動きもものすごく大きくなりました。
あれだけの運動が起こったのに、政治は変わらなかった、ように見えますが、あれだけの運動が起こったから、押し込めようとする力が強くなったのです。
でも、確実に、物事を真っ直ぐに見る目は大きくなっています。雪解けの水は、やがて大河になって海に流れ込みます。
議会が終わったので、選挙に向けた取り組みにも全力を尽くしたいと思います。