浅田真央ちゃん、ありがとう。

雑感

朝を含めて3度、浅田真央ちゃんのフリーの演技を見た。スタート前、緊張しているのが伝わってきた。でも、その不安は、最初のトリプルアクセルがきれいに決まったときに消えた。次第に彼女の動きにスピードと滑らかさが出て、動きがしなやかになるように感じた。
真央ちゃんは、徹底的にジャンプにこだわった選手の一人だったのだという。フィギアスケートの可能性を世界に示し続けた選手として頂点に立っていた。今回のフリーでも6種類の3回転をきれいに決め、8回3回転ジャンプを成功させた。ジャンプを決める姿を見ていると目頭が熱くなっていった。VTRを3度見たけれど、3度とも心が震えた。後半、解放されたように滑る演技には、彼女の切ないスケートへの思いが溢れていた。

演技を終わったとき彼女の顔は天を向いた。次の瞬間涙が溢れ出た。顔を戻すと泣き顔になった。綺麗な泣き顔だった。
ショートプログラムの不本意な演技の1日後、どれだけ不安な気持ちでこの日を迎えただろうか。前日の失敗が、彼女の演技をより一層ピュアなものにしたのかも知れない。メダルから離れてしまった地点にいて、自分の積みかさねてきた努力を信じ、ただひたすらに自分の内に蓄積してきた力を出すことにだけ思いを集中するように自分に言い聞かせて。その結果が、自己ベストの更新だった。

4年ごとに開かれる最高の舞台であるオリンピック。ここで頂点に立つことは、努力や実力だけでできることではないのかも知れない。ほんの少しの迷いやミスが、失敗につながるのが、オリンピックというもなのかも知れない。
その舞台で、最後に自分の持てる力のすべてを出し尽くして、滑ることのできた真央ちゃんの演技は、見た人の心を綺麗にした。


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雑感

Posted by 東芝 弘明