梅の木の植替え
家の裏の畑に梅の木を植え替えた。鉢植えの梅は、鉢の土を世界の全てにして育ってきたが、梅の木を支えるには、世界が狭くなってきた。
「梅の木を植え替えて欲しいんや」
金曜日の妻の一言で、穴を掘ることにした。
裏の畑は、こんもりと盛り上がっている。合併浄化槽を設置した時に掘り出した土を畑に盛ったのがこうなった原因だ。
ガチッ、
耕し始めるとトンガが石に当たった。堀り進まないのでスコップで掘ることにした。スコップも畑に突き刺さらない。浄化槽の穴を掘った時に出てきたのは、大量の石だった。紀の川の河原に近いこの土地は、石ころだらけの土壌をしている。
この大量の石ころが畑に埋まっている。拳よりも大きい石をゴロゴロ取り出して、60センチほど穴を掘るのに1時間以上かかってしまった。
ここに畑として育ててきた柔らかい土を入れる。
「お父さん、鉢をコンコン叩いて」
妻の言うことに従って、梅の木の鉢を横にして、鉢の周りをトントン叩いて行く。
梅の木の幹を握って、鉢から引き上げると、鉢の形をした土が綺麗に抜けた。
これをフカフカの穴の中に入れ、周りに柔らかい土を敷き詰めて行く。
これでようやく、鉢の植え替えが完了した。
梅の木が、きちんと育ちますように。
4時に自宅療養をしている友人の顔を見に行った。友人宅で4時にi君と待ち合わせるという約束だった。手土産は割り勘だったのに、帰り際にお金を渡すのをすっかり忘れ、夜中に風呂に入って、湯船に浸かるまで思い出さなかった。
「またな。おおきに」
療養中の友人宅を出て、i君をを家の前まで送って別れた時は、話に夢中だったので、別のことを考えていた。
自宅療養中の友人は、状況をリアルに教えてくれた。週の初めに治療するので、3日ぐらいは、しんどいけれど、週末は元気という話だった。訪問した2人はホッとして帰ってきた。
明日、i君宅に立ち寄ることにしよう。