2大政党制によって民主主義は発展するのか

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2大政党を作ることが民主主義にとっていいことであるかのような論調がある。
2つの政党に国民の意識を悪阻込むこと自体、実はおかしいことではないか。
人間の性格を血液型で分ける見方にもものすごく狭さを感じる(血液型ではA、B、O、ABの4通りの人間しかいないということになるので、「あなたはA型なのにBみたいだ」とか、「私はB型だけどOも混じっているのよ」とかいう議論を良しとして、幅をもたせて矛盾をカバーしている。4とおりに分けること自体のおかしさを認めて、血液型で性格を分ける自体を止めた方がいい)。
アメリカは、2つの政党に人為的に押し込んでいるので、国民の意思が政治になかなか反映しない国になっている。自由の国アメリカだといいながら、国民の政治的な自由は、制度上かなり大きな制限を受けている。
アメリカは、国民皆保険制度が実現していない珍しい国で、世界一医療費のコストの高い国。破産の2番目の理由は「医療費が払えない」ことによる。
日本でいう自由診療が自由自在に実現している国。ニューヨークで盲腸の手術を受けたら240万円もかかる国(日本のコストは36万円)。アメリカでは、至れり尽くせりの医療制度が実現している。しかし、多額のお金がないとその自由は享受できない。
アメリカには自由が保障されているが、その自由はお金によって左右されている。
国民の生存の自由が保障されていない国、それがアメリカだ。
日本で2大政党をつくるということは、国民の要求を2つの政党の許容範囲の中に押し込んでいくということに他ならない。
具体的な問題で見てみよう。
平和の問題でいえば、憲法9条を守れという声は、過半数を超えている。しかし、民主党も自民党も憲法改正で9条を変えようとしている。国民の多数の意思が平和という根本的な問題でさえ国会に反映しない。
消費税増税の問題でも同じことがいえる。
国民の多数は消費税増税反対だが、民主党も自民党も消費税増税を推進する立場にある。
「そんなことをいっても仕方がないのでは?」と思っている人は、下のグラフを見ていただきたい。
全国保険医団体連合会のサイトに分かりやすい資料がある。
全国保険医団体連合会このPageのグラフで見るこれからの医療から引用してみよう。

上のグラフは、左側に消費税の税率を示し、右側に国税に占める消費税の比率を示している。
日本の税率は低いのに国税に占める比率は、イギリスやスウェーデンとほとんどかわりがない。
日本の消費税の制度をそのままにして10%にすると消費税収は45%を超えていく可能性が高い。
消費税10%の実現は、世界最大の消費税負担となるのは間違いない。
イギリスやスウェーデン、イタリアの消費税は、税率が高いけれど非課税品目が多いので、税収に占める比率は日本とあんまり変わらない。
民主党や自民党の国会議員の方々の多くは、こういう仕組みは知っているだろう。左側の税率だけを問題視して、税収に占める消費税の比率については、国民に事実を示していない。
この事実が広く知られたら消費税増税賛成は、大きく減ると思われる。
もう一つ。
このグラフは、諸外国の場合、消費税が福祉を支える基幹税にはなっていないことも示している。高福祉高負担の主役は消費税ではないということだ。
では、いったい誰が負担の多くを担っているのか。
この問題は、別の機会にゆずろう。

このグラフは、国税に占める所得税、法人税、消費税の比率の経年的な変化をグラフにしたもの。法人税は、この間減税がおこなわれてきたので消費税収と肩を並べるようになっている。この消費税を10%に引き上げたら、消費税が所得税を追い越してしまい最大の税財源となる。
消費税10%という論議は、諸外国には全く例のない異常な議論であることが、この2つのグラフからよく見える。
日本共産党は、大企業と大資産家に財源を求めないと財源の確保はできないという見通しをもっている。自公政権は、法人税3税を40%から30%に引き下げ、大金持ちの所得税+住民税を65%から40%に引き下げ、株による取得については20%の税率をわざわざ特例をもうけて10%に下げてきた。
こんなことをすれば、税収に大きな穴が空く。この穴を埋めてきたのは、庶民への増税と社会保障抑制策だった。
民主党も自民党も、この間の構造改革にメスを入れないで、財源を消費税に求めようとしている。果てしない国民負担。今でさえ生活がいきづまり苦しくなっているのに、財源は国民負担しかないというのは、極めて悲しく厳しい選択だといっていいだろう。
日本の2大政党は、国民の前に分かりやすい事実を示していない。これで民主主義の発展は2大政党制によってつくられるというのは、おかしい。
政治と経済は、経済的な利害関係でことが動く。国民に分かりやすい事実を提示せず、大企業や大金持ちに減税を進めながら庶民に増税を強いる政治をすすめ、それがさも当たり前のように語られている。
自民党とあんまり違わない民主党が、政権交代をくり返すために、選挙制度をさらに変えて比例代表を削ると日本でも民主党と自民党しか国会に残らなくなる。
こういう事態が、どの勢力にとって都合がいいのか。
日本のマスコミは、それ自体が巨大な産業になり、経済的な利益を追求する組織になっている。このようなマスコミが、2大政党制こそ日本の民主主義を発展させるというとき、マスコミは国民の利益を守る立場に立っていない可能性が高い。
国民の意思が、2つの政党に代表されることは、結局、国民の多数の意思を最初から排除する危険性をもつことぐらい少し考えれば見えてくる。こういうことを指摘しないまま、かつ、小選挙区制による民意の切り捨てを指摘しないで、2大政党制をあおるマスコミは、ジャーナリズムの精神から、かなり遠い地点に立ってしまっている。
2大政党制は、血液型に性格を押し込める議論よりも、もっと幅の狭い議論であることを考えることは大切ではなかろうか。

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Posted by 東芝 弘明