賛成討論を載せておきます
昨日の本会議場での安全保障法案の廃案を求める意見書の提出を求める請願に対する賛成討論は3人だった。まず女性議員が討論を行い、保守系議員の中で最年長の議員が賛成討論を行い、その後でぼくが討論を行った。
最年長の議員は、討論の中で請願の趣旨を少し変えて意見書を提出しようと委員会では働きかけたという経過を報告した(請願事項は廃案を求めたものだった。この結論は生かそうという提案だった)。直接はこの討論が保守系議員の心を動かした。委員会での論議やぼくの一般質問、委員長報告に対する宮井議員の質疑、ぼくを含めた3人の賛成討論、それらを通じて法案の姿が浮き彫りになった。最年長の方の討論は、こういう努力のなかで行われたものの一つだった。多くの努力がコラボレートして、委員会での結論を本会議でひっくり返すということが実現した。
昨日、本会議で行った安全保障法案の廃案を求める意見書の提出を求める請願に対する、ぼくの賛成討論を載せておきます。
「平和安全法制整備法」、「国際平和支援法」案に関する意見書提出を求める請願に対する賛成討論を行います。
日本は、戦前、アジア・太平洋戦争を起こし、2000万人のアジア諸国民の命を奪うとともに、日本国民310万人の命を奪いました。当時の日本国民は主権者ではなく、戦争をおこなう権利は天皇にありました。国民が戦争に反対することは、非常に重い犯罪であり、国賊・非国民として逮捕・投獄され、拷問によって殺害された人々も多数ありました。
この戦争の結果、日本の主要都市は、空襲によって焼け野原となり、1945年8月6日、8月9日には原子爆弾が投下され、多くの人々の命が一瞬にして奪われました。
日本は、アメリカ、中華民国、イギリスが作成したポツダム宣言を受け入れ、戦争遂行勢力の除去、戦争犯罪人の処罰、日本の民主主義の復活と言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重、確立、日本の経済復興等を内容とする改革を受け入れました。
日本国憲法は、このもとで制定され、国民主権、恒久平和、基本的人権という憲法3原則が確立しました。恒久平和は、「もう2度と戦争を繰り返してはならない」という国民の強い意志が込められています。憲法第9条と「広島・長崎を繰り返すな」という願いは、密接不可分なものであり、核兵器廃絶と戦争放棄は一体のものでした。
教師の方々の反省にも深いものがありました。戦争に国民を駆り立て、軍国少年を育成してきた教育は、戦後教科書に墨を塗って、教えが間違っていたことを確認するところから始まりました。「教え子を再び戦場に送るな」という教員が掲げたスローガンには、教育者の深い反省が込められたものでした。
同時に日本の戦争放棄は、アジアに対する大規模な侵略戦争への反省と不可分のものであり、もう2度と戦争をしないというのは、国際公約でもありました。
恒久平和主義と憲法第9条に基づく国づくりは、戦争に明け暮れていた国から平和な国への大転換を意味しました。戦争終結から70年、日本は、戦争をおこなわない国として今日に至っています。この70年の歴史は、国民の中に憲法9条を守る強い意志として息づいています。「戦争をしない」という歴史にこそ日本国民の誇りがあるのではないでしょうか。
ところが、今国会に11もの安全保障法制が提出され、戦争参加に道をひらく議論が行われる事態になっています。今回の法案は、(1)集団的自衛権行使に道をひらく、(2)PKO活動などで治安活動や駆けつけ警護、捜索活動という軍事行動を行う、(3)日常的にアメリカ軍などの後方支援を行うという特徴を持っています。この3つの特徴は、いずれも、憲法第9条に違反するものとして、政府が自ら封印してきたものです。
自衛隊員の訓練の中には、PKOでの治安活動や後方支援している現場での戦闘訓練が含まれています。今自衛隊員が訓練内容を証言し始めています。後方支援もPKOも戦闘行為に巻き込まれ戦場になることは、自明のことだということです。
専門家によれば、PKOなどの活動によって自衛隊員がまず戦死するという指摘があります。ドイツは、アフガニスタンの治安維持活動に参加しましたが、現地で戦闘状態になり、戦闘によって35人が戦死し、自殺者を含めると55人が命を失う事態になっています。最近になって中谷元防衛大臣は、自衛隊員が海外で死亡することを想定し、遺体を搬送する検討を行っていることを国会で明らかにしました。深刻な事態は目前に迫っています。
この法案に対して、衆院憲法審査会で3人の憲法学者が集団的自衛権行使と後方支援について、いずれも違憲だという発言を行いました。この発言を契機に世論が大きく変化し、政府は法案を十分説明していないという意見が80%を超え、今国会で法案を成立させるべきでないという意見も60%近くなるなど、国民から重大な疑問が出される状況になっています。
憲法第9条は、国際紛争を解決する手段として武力の行使を禁じ、軍隊をもたない、国の交戦権を認めないという明確な中身をもって、国民を戦争に巻き込むことを禁止しています。今回の法案は、一内閣の憲法解釈変更によって、政府の判断でなし崩し的に戦争を行えるようにするものであり、権力の手をしばる現代憲法の立憲主義を真正面から破壊するものです。
憲法違反の法律が、国会に提出されることは許されません。それは憲法第98条によって禁止されています。安倍総理が「憲法を守る、憲法第9条を守る」と言い続けているのは、憲法違反を認めたら、法案と政権が崩壊するからに他なりません。
安全保障法案によって、国を守る、抑止力を高めるという説明も、解釈改憲によって憲法を踏み破るための誤魔化しだということです。
政府自らが憲法違反だとしていたものをひっくり返し、戦争に参加しようとしている事態は、恒久平和の破壊であり、民主主義、基本的人権、国民主権の危機でもあります。かつらぎ町は、この10年間で16人の自衛隊員を送り出してきた自治体です。専守防衛や国内外の災害救助で努力してきた自衛隊員が、アメリカなどの戦争に参加させられ、海外で戦死することを許してはなりません。海外での戦争参加は、自衛隊をアメリカと同じ軍隊に変質させ、戦争の加害者にする道でもあります。
地方自治体は、住民の福祉の向上を使命にしています。首長も議員も直接選挙で選ばれた住民の代表です。憲法は、戦争する権利を政府に与えていません。国民を騙して戦争に駆り立てようとしているこのときに、私たちは、国民主権と地方自治体の使命を自覚して、あらゆる方法で戦争をくい止める責務があります。すべての自治体が戦争反対を貫けば、日本政府の暴走をとめることは可能です。
現行の法律の下で、日本はすでに数多くの国際貢献を果たしてきました。自衛隊による災害救助だけでも12回にのぼっています。日本が行うべき国際貢献は、憲法第9条にもとづくものです。アフガニスタンなどで難民救済の活動を行ってきた日本国際ボランティアセンターの事務局長の長谷部貴俊さんは、30年以上活動してきた中で、「武力の行使を禁じた9条は、理念だけでなく、紛争現場にのぞむ日本の関わり方を示してきたと考えています。」「今後9条をもとに、他の国にはできない支援を日本ができるという展望を持っています」と語っています。
戦争しない国、戦争に介入しない国、侵略に手を貸さない国として、日本が憲法第9条にもとづく活動を積極的に展開し、国際的な信頼を得ることこそが、日本の進むべき道であることを強調して、私の賛成討論といたします。








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