ほとんど知らない沖縄の現実
沖縄の現実を私たちはよく知らない。
「基地に反対しているように見えるけれど、沖縄の人々は基地のおかげで生活が成り立っている人もいるみたいやで」
こういう人は、まだかなりたくさんいる。
翁長知事の代執行訴訟に置ける陳述にこういう指摘がある。
経済の面で言いますと、米軍基地の存在は、今や沖縄経済発展の最大の阻害要因になっています。米軍基地関連収入は、復帰前には、県民総所得の30%を超えていた時期もありましたが、復帰直後には15・5%まで落ちており、最近では約5%です。駐留軍用地の返還前後の経済状況を比較しますと、那覇新都心地区、小禄金城地区、北谷町の桑江・北前地区では、返還前、軍用地の地代収入等の直接経済効果が、合計で89億円でありましたが、返還後の経済効果は2459億円で、約28倍となっております。また雇用については、返還前の軍雇用者数327人に対し、返還後の雇用者数は2万3564人で、約72倍となっております。税収は7億9千万円から298億円と約35倍に増えました。基地関連収入は、沖縄からするともう問題ではありません。経済の面から見たら、むしろ邪魔なのです。実に迷惑な話になってきているのです。
こういう現地の話を私たちは、どれだけ知っているのだろうか。テレビの沖縄県の現地取材で、カメラを向けるとマイクの前で賛成論をの述べる人と反対論を述べる人がいる。政府の言い分と沖縄県知事の言い分が対立していると、政府50vs県知事50というような比率で「公平」に紹介する。それが果たして県民の世論をいい表しているのか、客観的事実を言い表わしているのか。テレビはそこまで肉薄する責任がある。
平等に意見を紹介した後、辺野古への基地移転に対する沖縄の世論調査の数値を紹介したり、基地関連収入と経済問題を数値できちんと確認したりする作業が必要だろう。
ネットでいえば、翁長知事や沖縄県の試算を否定する論調も見られる。しかし、書いているものの中には、米軍がどのようにして成り立っているのか、充分知らない中で県の試算に反対しているものもある。
米軍基地とは何なのか。基地はどのような財源で成り立っているのか。米兵は沖縄でどのような生活をおくっているのか。この基地がなくなれば、どういう土地利用ができるのか。こういう基本を押さえた上で論じることが必要だろう。
日本の国家予算の中には米軍への思いやり予算1899億円(平成15年度)がある。この予算は今年度1920万円となり、これとは別に米軍再編関係費1801億円がある。
思いやり予算の中には、基地内の住宅施設費や基地で働く人々の労務費、高熱水料、訓練移転経費などがある。労務費の負担が一番大きく1458億円にのぼる。つまり在日米軍基地の維持管理経費のかなりの部分は、日本政府が出しているということだ。
米軍再編関係費でMAXなのは、地元負担軽減に資する措置が1766億円だ。内訳はグアム移転140億円、沖縄再編事業690億円、米軍司令部改編関連事業1200万円、空母艦載機移設事業724億円、訓練移転事業59億円、再編関連措置の円滑化152億円となっている。
これらの予算は、書いていて腹が立ってくる。本当はすべてアメリカが負担すべき予算だろう。思いやり予算と米軍再編関係費だけで3721億円も日本の国家予算が使われている。アメリカが在日米軍のために出しているのは、軍人の給料と兵器の費用、燃料、武器弾薬等々だろうか。
日本政府が、移転経費の多くを肩代わりし、基地内の米軍住宅や各施設で働いている従業員の給料を支払っていることでも、経済波及効果は一定あるだろうけれど、3721億円の内の多くが日本にとっては、大きな経済的損失だろう。
沖縄の米軍基地ににどれだけ日本の税金が投入されているかまでは分からないが、基地の74%が沖縄に集中していること、普天間から辺野古への移転事業が動いていることを考えると3721億円の国税のかなりの部分が沖縄に集中しているのは間違いない。経済波及効果というのは、ちゃんちゃらおかしい。3000億円を超える国税を投入して、3000億円以上の経済波及効果があってはじめて、波及効果になる。かりに数百億円、1000億円の経済波及効果があったとしても、日本としては大赤字ではないか。
米軍基地が沖縄県の一番良いところを占拠して基地を作っているのだから、この基地がなくなれば、自立した経済発展への道がひらかれる。在日米軍基地による経済波及効果は5%だという沖縄県の話を正面から聞くべきではないだろうか。
「基地に反対しているように見えるけれど、沖縄の人々は基地のおかげで生活が成り立っている人もいるみたいやで」
この意見をさも沖縄県の現実であるかのように論じるのだけはやめたい。
沖縄について、知らないことが多いので、もうひとつ、日本共産党の不破前議長が3月16日、那覇で講演を行った。この講演は知らなかった沖縄の現実を伝えている。
ぜひ読んでいただきたい。
沖縄県民が主人公の、基地のない平和な沖縄への展望











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