仁坂知事への質問
和歌山県行政報告会で仁坂知事に対して尋ねたのは、小泉さん以来の新自由主義的な構造改革への評価だった。この評価とあわせて、地域間競争をあおった構造改革の手法ではなく、地域のコミュニティー力、共生の方が大事ではないかとも尋ねた。
これに対する知事の答えは、構造改革は、「ある意味では成功した」日本の経済の破たんを「くいとめた。功績はあった」と言った。ただ、改革そのものは手段だったのではないか。とも言った。
この答えは、構造改革とは何かについて、まともに答えたとは言い難い。
しかし、何だか味のある回答だとも感じた。
味わいは、自民党にも気を使い民主党にも気を使っているなかからにじみ出たものかも知れない。評価しながらも、意見も述べる。しかも控えめに。
そんな印象も受けた。
しかし、構造改革への評価という点では、ぼくなりの異論も書いておきたい。
構造改革は、その当時の危機的な経済状況を救ったのかどうか。この点には大いなる疑問がある。
新自由主義的な改革は、社会の富を資本の側に移動させただけであり、国民からは所得を奪うものであり、社会全体の富はそんなに増大しなかったという評価がある。
規制緩和、労働法制の破壊、派遣労働の拡大、大企業への減税と優遇税制の実施、金融ビッグバン、株主資本主義への移行、社会保障の破壊と国民への負担増、庶民増税、市町村合併の推進、三位一体の改革。これらの一連の政策は、日本社会に何をもたらしたのかということと、ここからの転換をどうはかるのかということが、政治と経済とに問われていると思う。
知事の話は、構造改革とは違う視点をいくつも感じた。和歌山県の活性化の方策についても努力している姿があった。
しかし同時に地域間競争という観点もあわせもっているのではないかということも感じさせた。
地域間競争で勝ち残っていくということは、結局は地域を競争に巻き込んで生き残っていくということでしかない。誰かが損をし、誰かが得をするということでは、他の地域の発展が他の地域の破壊と結びついているということにしかならない。
最近はそう思いはじめている。競争より大切なのは共同だろう。
報告会終了後、まだ少し残ってお話を聞くということだったので、知事と向きあって話をしたいと思い、順番を待った。
ぼくが尋ねたのは、高校の自由学区制を元に戻してほしいという話と競争が激化している中高一貫校が抱える問題点、自治体独自の少人数学級の実施を認めてほしいというものだった。
自由学区制を元に戻すのは難しいという話だったが、「私も同じ思いをもっている」という見解だった。「作った中高一貫校をなくす訳にはいかない」という話はそのとおりだと感じる。
「一つの施策を実施したら、いい面も悪い面も出てくるので、どうやって改善するかを考える必要がある」──こういうことも話された。
自治体独自の少人数学級については、「地方自治体が自分のお金でやりたいというのであれば、県が拒む必要はない」と非常に明快だった。








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