羅生門と蜘蛛の糸

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介護保険によって、福祉の流れが変わった。
この保険には、保険料の全額免除がないし、利用料の軽減も基本的にはない。
介護保険は、今までの福祉とは、明らかに次元の違う考え方で成り立っている。
構造改革の本格的な動きは、社会保障の分野では、介護保険から始まった。
おたふくのお面の内側には、般若の顔が隠れていた。
これが介護保険だった。
国の負担は25%しかなく、県と市町村で25%を負担する。残りの負担は、第1号被保険者と第2号被保険者が負担する。このような負担比率で行くと、国民の負担が際限なく増大する。
そして、現実に負担は非常に重くなった。
高い国民健康保険税よりも介護保険の方が高い人が現実に存在する。
「私は介護保険なんて、もうダメやと思っている」
あるケアマネージャーは、力なく笑った。
耳を傾けると、彼女はさらにこう言った。
「介護保険のサービスを受けなあかん人が、負担が重くって受けられない。お金を持っている人は、受けんでもいいようなサービスをたくさん受けている例がある」
貧しい人の中には、生活環境も貧しく、健康状態も悪い人がいる。それは、きつい労働を重ねてきた結果だというケースもある。
介護保険は福祉ではない。
所得の低い人を無慈悲にもサービスから弾いてしまう制度を内に持っている。
社会保障が、国民の前に立ちはだかって、門戸を閉ざすようになったら、国民は、羅生門の前でのたれ死ぬような状態になる。
真面目に生きてきた人に、日本という国は、蜘蛛の糸さえたらさない。

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Posted by 東芝 弘明