blogを読んでいますよ。

未分類

会議は、8時過ぎに終わった。
会議の椅子は、舞台の下から引っ張り出される収納庫に6脚積み重ねられて片付けられる。
3脚も一度に収納する強者の女性もいる。
みんなで片付けると5分も経たないうちに会場は、大広間に変身した。
早く会議が終わると、小グループができ、輪になって話が弾んでいた。
「本部役員のご苦労さん会をしよう」
ぼくは、ちらばって立ち話をしていた本部役員の方々に提起をしてまわった。ドミノ倒しのようにとんとん拍子に合意が得られて、ご苦労さん会の日と時間が決まった。
二つ返事の9連発だった。
みんなもご苦労さん会を望んでいたのかも知れない。
会場の舞台は、何だか知らないが、腰掛けのように低い高さなので、ぼくはそこに腰掛けていた。
「東芝さんのブログって、時々面白いですね」
黒髪のきれいな、肌の白い彼女は笑顔で語りかけてきた。
黒い髪と黒いメガネがよく似合っている。
「黒い背広の男の人の話が好きです。沖縄料理の」
1年以上前に書いた記事がよみがえってきた。
それは、居酒屋で出会った人が、ぼくに話しかけてきた記事のことだった。
やはり情景を描写した記事が、印象に残るのだろうか。
「blogを読んでいますよ」
こう言っていただけると、それだけで1日気分が良くなる。
願わくば、ぼくに出会った人は、「ブログ読んでいますよ」などと声をかけていただければ、ぼくはかなり幸せになる。
幸福とは何か。そう問われても明確に答えられる人は少ないだろう。
幸福とは、おそらく実態のないものだと思われる。
幸福の本質は幸福感というものだろう。人間の感情に寄り添う形で幸福感はときどき存在する。
もちろん、今は幸せだと感じるスパンの長い時期はあるだろう。でも、そういう時期であっても、幸福を感じるのは、瞬間的にあふれてくる感情なのではないだろうか。
「blogを読んでいますよ」
という言葉は、ぼくにとって、それだけで幸福感を味わえる瞬間だといえる。
単純だ。ほんと。簡単にいえば、「うれしい」ということだろう。
会議がはねると、会議に参加した人々の顔には笑顔があった。
今日の総会で、解任となる方と今日の総会を出発にして新しい任務に就く人とが一堂に集まって開かれた会議。
玄関で明るい声で話し合っている細身の女性に声をかけた。
「これで役員はおしまいですか」
「はい。ありがとうございました」
開放感のあるはじける声が返ってきた。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

未分類

Posted by 東芝 弘明