「大阪都構想」の本当の姿は大阪区構想だ

雑感

「大阪都構想」と維新がよんでいる住民投票では、大阪都はできない。できるのは、大阪市の廃止と4つの特別区だけ。維新が掲げる看板には嘘がある。大阪市の廃止、特別区の設置だから、大阪区構想だということを前川喜平さんがTwitterで呟いていた。言い得て妙だ。まさに大阪区構想だ。区構想は、都構想とは関係がない。都にするためには、国会での法改正が必要だ。一つの国に2つの都をつくることは考え難いので、都構想は、どこまでいっても都構想にはならないのではないだろうか。

なぜ、維新は分かりきっているのに「大阪都構想」を掲げるんだろう。憧れているのは東京都だろう。大阪を東京のように。これが「大阪都構想」という言葉を生んだのではないだろうか。
調べてみれば、すぐに分かることだが、東京都の23区ある特別区は、東京都の仕組みをつくるために特別につくられたものではない。明治以降、広い地域を管轄する東京府ができ、その後今の23区(当時はもっと区の数が多かった)を管轄する東京市ができた。この2つが廃止されて、東京都になったのは第二次世界大戦中の1943年だった。戦後市区町村制が制定され地方自治が確立するときに新しい制度のもとで東京都になった。このときにつくられたのが特別区だった。特別区は特別地方自治体であり、固定資産税や都市計画税、法人住民税、事業所税などが東京都に入る。東京都は、東京市があった時代とおなじように「東京市」として特別区の事務を今も引き継いでいる。しかし、市区町村制度のもとで、地方自治が確立したので、東京都の特別区は、戦後区長公選制に移行した。しかし、その後すぐに公選制は廃止され、知事の任命制に移行した。しかし区長による不正事件が起こったため、都知事の任命による区長制度は見直され、1975年に再び区長公選制に移行した。

維新がいう大阪都構想は、この東京の仕組みを大阪府に持ち込もうとしているものだ。政令指定都市に発展したい地方自治体が多い中で、大阪市を廃止して、大阪府に権限と財政を委譲する方向は、地方自治体の発展の歴史とは合わない。住民が生活している場所で、財源と権限を拡大することが、地域住民主権の実現を促進してきた。東京都の特別区もいかにして自治体としての権限を充実させるかという点で努力してきた。この戦後の地方自治の発展を度外視して、府による地域の支配を強め、住民の権限を弱めるのが、維新版「都構想」に他ならない。

大阪市の財源を削って4つの特別区をつくると確実に暮らしや福祉の施策は後退する。権限と財政を失うのでこれは自明のことだ。区構想は、苦しみを増やす「苦構想」に他ならない。

雑感

Posted by 東芝 弘明