根本的にことに通じる努力

出来事,雑感

午前中は会議を行い、午後は綱領学習の講師をさせてもらった。終わってから日本共産党の綱領とは一体何なのかを最初に話すことが必要だったのではないかという指摘を受けたので、次回の学習会ではこの話から始めたいと思う。

政党にとって綱領は、団結の指針になる基本的な文書だ。日本共産党は日本社会の現状をどう把握し、日本を含む世界をどのように見ているのか。この現状認識をふまえて、日本共産党の綱領は、日本社会の発展すべき方向、たたかいの道筋、未来社会の展望を示している。現状認識と改革の方向を見据えるとによって、日本共産党という政党の姿、在り方が定まってくる。

日本社会についての根本的な認識と社会の発展方向を見据えた展望は、科学的社会主義という理論的な力を土台にして成り立っている。科学的社会主義は、哲学と経済学、未来社会論と運動論から成り立っている。
哲学は、自然科学の価値ある成果に基礎をおいたもので、唯物論と弁証法という物質の成り立ちに基礎をおいてる。同時に人類社会の歴史の発展、社会の分析の分野である史的唯物論という社会と歴史に対するものの見方、考え方を土台にしている。史的唯物論は、自然科学に基礎をおく唯物論と弁証法というものの見方考え方によって、歴史と社会を分析しようとするものだ。それは、社会を鋳型によって理解するのではなく、具体的事実の具体的分析の結果としての史的唯物論というものになっている。科学的社会主義の哲学は、自然科学の分野の研究によって史的唯物論が発展したというものではない。自然や社会に対する研究の成果として科学的社会主義の哲学が形成されていったので、自然とともに社会の分析なしには哲学として形成されなかったということだ。

経済学は、マルクスが生涯にわたって研究することとなった資本主義の徹底的分析よって成り立っている経済学的研究を基礎としている。マルクスが分析した資本主義は、ようやく世界市場が形成された時期の資本主義だった。マルクスが亡くなったのは1883年。明治の初めだ。世界市場は日本の開国をもって完成するというような見方がマルクスにはあったと思う。
資本主義は、マルクスが生きていた時代よりもはるかに大きくなり、世界市場も世界の成り立ちも大きく変わった。帝国主義戦争が盛んになった時代を経て、第2次世界大戦以後は、全体として帝国主義が成り立つ余地が小さくなり、植民地主義も崩壊するに至っている。

この時代変化をふまえて、日本共産党綱領は、日本社会の自主的な分析を行い、未来社会を展望している。植民地支配が終わり、帝国主義間の戦争という形が過去のものになっている中で、日本は、アメリカに従属した国のまま今日に至っている。この日本の特殊性がしっかり把握されたなかで、日本の真の独立とアメリカとの関係の再構築の先に日本の民主的な発展があると展望している。戦後日本国憲法には、国民主権が謳われるようになったが、しかし、本当の意味での国民主権は実現しておらず、たたかいによって本当の意味で国民が主権を実現する民主主義革命が必要だという認識をもって、民主連合政府をつくろうと呼びかけている。アメリカの支配と大企業中心の国から国民主権が実現する国への転換には、民主主義革命が必要だというのが、日本共産党の認識だ。民主主義革命によって実現すべき内容は、現行の日本国憲法の諸規定の実施というものだ。これと合わせて、国民主権を貫く経済の民主主義的な改革を実行する。この改革を国民の手で成し遂げようというのが日本共産党の綱領の立場だ。

この先に日本における社会主義的な展望がある。自由と民主主義が受け継がれより豊かになる社会。これが日本における社会主義への道だ。綱領では、未来社会論として社会主義日本の展望が具体的に語られている。

政党にとって、綱領をもつことは何よりも大切なことだと思われる。日本をどう発展させようと考えているのかを明らかにできない政党では、現実問題に対して右往左往してしまう。日本共産党がブレない政党として確固としているのは、綱領と科学的社会主義の理論に依拠しているからだろう。現実の具体的な研究と分析、総合、帰納と演繹による知見。

根本的にことに通じる努力。科学的な精神。自然科学と社会科学の結合。人類の価値ある知見の集大成をめざす開かれた体系。これが科学的社会主義のもっている力だ。この考え方を1人の人間が身につけることは不可能だ。第2の脳である図書館の全ての結合が必要になる。自然科学の分野での新たな発見があるたびに唯物論はその形態を変えなければならないということだ。

学びの道に終わりはない。

出来事,雑感

Posted by 東芝 弘明