人間は人間を切り捨てる

雑感

生活相談の電話が入り対応した。生活保護に関わる話だった。一生懸命に働いても、年齢を重ねていくと商売も先細ってくる。中には、取引先の経営破綻の煽りをモロに受けて廃業に追い込まれる場合もある。年齢を重ねる中で、普通の生活ができなくなっている商売人や自営業者は多い。

資本主義のなか、国民の生活を支えるはずの国民年金は、それだけでは生活ができないような制度設計のまま、今に至っている。この制度を見直して、国民全体が安心して暮らせる仕組みへと制度を変えるべきだったが、自民党政権はこういう対策を取らず、逆に高齢者の医療費の無料制度を破壊した。

商売人や自営業者は、次の世代が跡を継がないと成り立たない仕組みの中にある。こういう構造を作ったのは、自民党政治だった。自営業者の縮小と没落は、地域経済を壊しているが、この流れは、農業にも明確に表れている。

10月から消費税のインボイスの登録が始まっている。これが実行に移されたら日本の自営業は、かなり深刻な事態に追い込まれるだろう。コロナ禍の中で最終的に首を絞めるのは消費税。こうなりかねない。

政権交代への渇望は、あらゆる分野で噴き出している。問題を解決するためには政権交代が必要だという命題が多くの課題に対する答えになりつつある。

今日相談に乗った人は「自己責任だと思う」と盛んに言っていた人だった。車の中で「病気になって生きているだけのような人への治療は無駄ではないか」という質問が出た。ぼくは、「そういう人も憲法25条によって守られる。日本は戦後そういう国になった。こういう人を守らない国は、結局国民の全てを守らない国になる。最近の政治はここを壊してきた」という話をした。
「私も考えなおしてみる」
こういう答えが返ってきた。日本共産党は、国民の中に線引きをして切り離す考え方を広げてきた政治に対し、国民を分断するなと言ってきた。分断はやがて自分の目の前に超えられないハードルを提示する。神は乗り越えられない試練を与えないかもしれないが、人間は線を引いて人間を切り捨てる。自己責任という魔法の言葉が、切り捨ての力になる。


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雑感

Posted by 東芝 弘明