政策は抜群だと思うが、それが届いていない
共産党が比例で2議席後退し、10議席が8議席になった選挙結果をうけて意見交換した。住民のみなさんからも大いに意見を聞かせて貰おうとなった。
日本共産党に逆風が吹いていた訳ではない。102年間の歴史の中で積み重ねてきた政策には、説得力があり、実際の国会論戦や地方議会で大きな力を発揮している。日本共産党のいっていることに一定の信頼があるのは、これらの政策に寄るところが大きい。党の政策の柱の一つは、財源論にもある。日本全体の財政をどうするのか、日本全体の経済をどうするのかという太い柱にしたがって、直接税と間接税の在り方、国民の税負担の軽減、消費税の5%への引き下げ、消費税廃止の方向が見定められている。この太い柱は、軍備の拡張にも向けられ、今おこなわれている国による超軍拡路線が何を引き起こすかも、全部見定めて、憲法9条を守る方向に国を転換することが、国民生活を守り、経済の落ち込みを改善する道だということを明確に指し示している。
この財政論は、当然、税と社会保障の分野にも太く貫かれている。日本国憲法第25条の要請は大きい。日本は社会保障を充実させ、国民の生活を守りながら経済運営も行えることを太く明らかにしている点でも、日本共産党の政策は揺るぎがない。
これらの展望は、この30年間、失われた30年というような状況を続けてきた舵取りを大きく転換するものにもなっている。経済政策の中心に7時間労働制と抜本的な賃上げを打ち出したのも、政策の蓄積によるものだ。日本経済は最低賃金を引き上げながら、抜本的な賃上げと労働時間の短縮に踏み込んで行かなければ、成長も発展もないことを日本共産党は明らかにしてきた。もちろん、これを成し遂げるためには、軍拡路線にイエスという態度を取ることはできない。教育予算に匹敵するような軍事費の上乗せを毎年おこないながら、経済政策や財政政策は打ち出せない。ここが多くの他党との違いでもある。
「日本共産党は、批判ではなく、もっと未来への展望を示してくれよ」
こういう注文を寄せていただいたが、まさに日本共産党の政策は、この方の疑問に真正面から答えるものになっている。ただ、問題なのは、こういう姿勢が国民にはなかなか浸透していないということだ。
日本共産党が展望している社会主義・共産主義は、賃金の引き上げと自由な時間の拡大の先にある。労働時間の抜本的な短縮と一人一人の自由な時間の拡大こそが、社会主義・共産主義の土台であり、ここにこそ未来社会の姿があるというのが日本共産党の展望だ。個人の個性の尊重と自由な社会の発展。資本主義では克服できない貧富の格差の拡大と地球温暖化などの課題。ここに答えを示すのが未来社会論の醍醐味でもある。
「何を訴えても浸透しないのか」という意見もあった。でも十分な働きかけができなかったという側面が強い。ぼくの場合は、選挙本番中に動けた日は3日間しかなかった。有権者に声を届けることができないまま投票日を迎えたというのが、正直なところだった。議会日程がぎっしり詰まった中での選挙戦だった。やり残したことがすごく大きかったことが、一番残念なことだった。



