『ラストレター』

雑感

岩井俊二さんの『ラストレター』という映画を見た。この映画は、高校時代の男の子(神木隆之介)が、後に小説家になって、高校時代の初恋を題材にして小説を書いて賞をもらったことが、1つの核になった話だった。初恋の相手だった同級生の女性は、40代の若さで亡くなった。男の子と同じ生物部のクラブだった女性(松たか子)は、この女性の妹だった。
姉の同窓会に姉が亡くなったことを伝えに行くという、なかなかありそうにない出来事から、物語が動き始める。姉の同窓会に行けば、「初恋の相手だった先輩に会えるかも知れない」ということが、姉の同窓会に行くという行為につながっていそうだった。

ここから奇妙な手紙のやり取りが始まる。同窓会で姉と間違えられた妹が、姉になりすまして先輩と手紙のやり取りをする。実は、作家になった先輩(大人になった役は福山雅治)は、同窓会で会った女性が妹だと分かっていたまま、奇妙な手紙のやり取りに付き合い始める。この設定が成り立つためには、高校生を演じた神木隆之介君の演技を通じて、大人になった作家が、それを受け入れる人物として成立しなければならない。映画では、なんとなく、そういうものを受け入れる人物として描かれていたと思った。奇妙な世界を成立させることが、できているかどうか。

ここが面白かった。他の人のレビューを見ると、これが受け入れられなくて、酷評している人がいた。普通はそうだろう。死んだ姉になりすまして、手紙を書く妹。それを分かっていながら受け入れる作家。そこに姉の娘と妹の娘2人が絡んできて、物語は進んでいく。

岩井俊二さんには『Love letter』という映画があり、この『ラストレター』は、姉妹編のような作品になっている。どちらも大切な人の死が絡んでいる。姉と妹の娘役を広瀬すず(姉の娘)森七瀬(妹の娘)を演じ、この2人が高校生時代の姉妹を演じている。面白い映画だった。中山美穂と豊川悦司が、『Love letter』の姉妹編の映画だからだろうか。出演している。


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雑感

Posted by 東芝 弘明