会議の改善、実践編
会議の改善に取り組みはじめている。
集まった人が頭を働かせ、充実感が味わえるとともに、みんなが納得して物事を決定するような会議にしたい。こういう欲張りなことを考えている。
実践する機会はたくさんある。
進行役を買って出ればいい。進行役は司会者ではないというところが面白い。
会議の活性化の成果は上がりはじめている。見違えるような会議ができたときは、参加した人の顔色が晴れやかになる。
うまくいっていない会議は、ものすごく悲惨だ。終わったときの顔色で会議の出来、不出来が分かる。参加する会議では、うまくいっていない会議の方が多い。
進行役をつとめた会議でも、この前は失敗した。
進行役を買って出ているぼくに対して質問が出た。
「大企業は敵だというようないい方をしているんじゃないの?」
この問いかけに、ぼくは答えるべきではなかったのに、気がついたら、日本における新自由主義とは一体何だったのかという説明をしていた。話はどんどん展開した。
これではいけない。会議は講演会ではないのだから。
(ちなみに日本共産党は、大企業を敵だとはいっていないし、思ってもいない。大企業は敵ではない。大企業が非人間的な側面をむき出しにするのは、資本蓄積のあくなき追求(=利潤の果てしなき追求)という性格による。巨大資本は、利潤の増大のためには悪魔とでも契約する。日本共産党は、こういう性格とたたかっている。このような大企業の傾向を是正するためには、日本社会に民主的なルールを確立する必要がある。社会制度として民主的な規制が必要だと考えている。日本共産党は、ルールある経済社会を実現すれば、大企業の利益も増大して、さらに発展するという立場に立っている)
いかにして、参加者みんなが頭を働かせて考えるか。
主催者兼進行役の場合、なかなかむつかしい。進行役に徹しているときは、進行役のぼくに問題が投げかけられても、冷静にみんなに議論を振り向けることができる。
提案しつつ同時に進行役を行うと、問いかけに答えてしまう。
これは大きな落とし穴だ。
「質問に対して自分で答えてはならない」
このことを肝に銘じることができるかどうか。
「東芝さんに答えてほしんやけど?」
「はい、まってました」──こう思ってはならない。
ラブコールにはすこぶる弱いのだけれど、この甘い誘惑によろめいてはならない。
今日あった会議では、「質問には答えない」ことを肝に銘じて会議に臨んだ。
昼下がりの眠たい時間。風が窓から入って、東の窓へ抜けていく。紙がめくれ上がろうとする。風は少し生暖かい。手作りのイチゴ大福が美味しかった。
「共産党が政権を取っても民主党と同じようになるんじゃないの?」
この質問には、答えないでみんなに意見を求めた。
「よしよし、上出来だ」、内心こうつぶやいた。
でも、長い発言が出てきた。話がテーマから離れていく。脱線する時間が長い。
真剣に耳を傾けていると、会議の時間が10分足らずとなった。
時間がなくなってきたので、決まらないことを脇に置いて、こちらから作業日を提案した。
みんなで作業する日が決まった。
失敗したのは、「あと5分で行動日を決めてほしいんですが、いかがですか」としなかったことだ。決めるのは会議の参加者。進行役ではないということを忘れていた。
この問いかけは基本中の基本。これを忘れるとは、まさに修行が足りない。