木村知事逮捕

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昨日、木村知事が逮捕された。
「和歌山県で談合があったのは知っていたが、今回の件はよく思い出してからお話ししたい」
読売新聞の1面トップの記事に載っていた、取り調べにおける知事の供述だ。
「和歌山県で談合があったのは知っていたが」
この言葉は、非常に「意味深」だと思う。
談合があったのを知っていたのであれば、なぜ改革好きの知事は、この談合システムを壊そうとしなかったのか。入札の改革もおこなっていたではないか。
秘書課の部屋から数百万円のお金が出てきたという記事もあった。
建設会社が提供した資金をプールしていたというお金だ。知事は、このお金を活用して、海外視察に自分の妻を連れて行く費用に当てたり、自分の車の維持費に活用していたという。
「和歌山県で談合があったのは知っていたが」、木村容疑者はこれを容認し、自分もこの体質になじんで、秘書課で管理していた建設業界から集められた資金をかなり自由に使っていたということだろう。和歌山県の体質に自分もつかり十分に利用した上で、さらに自分で大阪流の談合システムを作り上げたと思われる。
和歌山県の談合には、2つの流れがある。1つは木村容疑者と井山容疑者の談合ルートの解明だ。もう1つは、歴代出納長を軸とした和歌山県の談合体質とでもいうべき流れだ。これは、非常に根深い和歌山県の最も汚い体質になっていると思われる。この談合については、真相を深く知る4代前の元出納長が電車に飛び込んで自殺した。
2つの融合システムの融合──これが和歌山の官製談合ではなかろうか。
和歌山の談合体質は、どこまで解明できるだろうか。
大阪地検が書類として押収して、調査しているのは04年度の公共工事だ。これ以前の公共工事については、書類を押収していないようだ。
しかし、逮捕されたゼネコン側からは、花園美里トンネル(2001年12月〜2005年3月)の工事で井山容疑者に1億円を渡したという供述もあった。大規模工事における談合は、数多くの工事でおこなわれていたのだろう。動いた資金は、一体いくらぐらいあるのだろうか。
「前任者から仕事を引き継いだ」という出納長が軸になっていた談合体質問題を解明するためには、04年以外の公共工事についても解明を進める必要があると思われる。
この解明は、新知事の誕生をまつ必要があるかも知れない。
もし、新知事がこのルートの解明をおこなう努力をしない方だったら、和歌山流の談合は生きのこる。秘密の交渉を闇に隠してしまうと、談合の復活は案外早いかも知れない。
談合の再発防止システムを構築するということは、候補者になる方ならみんな語るだろう。しかし、防止システムをどんなに構築しても、入札を実施する行政が、談合を仕切った場合、システムは機能しない。何重にもチェックが働くシステムは、考えるべきだが、それより前にやるべきことがある。それは、官製談合の根を絶つことだ。
和歌山県のなかでどの建設会社が、談合に深く関わっていたのか。出納長が業務としておこなっていた仕事とはどういうものだったのか。──この問題では、和歌山県の自浄作用こそが問われている。木村知事逮捕、立件、起訴だけで幕を引いてはならない。新知事は、検察が明らかにしていない年度の問題でも、摘発、告発を含めて談合体質の根絶を図る必要がある。
もし新しい知事が、再発防止策しか講じない人物であれば、談合体質を引き継いだのではないかという疑いをもつべきだろう。
追加していえば、自民党の候補者にこの仕事はできないだろう。この仕事は、和歌山県の今までのシステムを破壊することになるからだ。これを追求する気があるのであれば、工事予定価格の96%以上の工事請負契約に異議や疑問を唱えていなければならない。護送船団方式と談合体質への依存と自民党の勢力は無縁ではないだろう。県出身の知事が誕生するだけでは、問題の解決にはならないのではなかろうか。


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Posted by 東芝 弘明