安倍政権を支える力

雑感

視察先で議員の方々と話をしていると、色々な形で本音に出会うことがある。
「安倍さんのことをぼくは買っています。今まで誰もできなかったことをしている。安倍さんは偉い。今やっていることは、後世の歴史に残ると思います」
この話は、宴会のあとで出てきた言葉だった。
本当にそうだろうか。用意周到に作戦を立てて、それを上手に、したたかに、賢く、しかも突破力を発揮して果敢に実践してきた結果が、現在の状況なのだろうか。
このことは、事実に即して確かめる必要がある。
日本の右傾化、軍国主義化の方向は、いったい何によって押し進められているのだろうか。
安倍さんという人物は、歴史的な一つの傾向の中で時代によって押し出された人物なのだろうか。

TPP反対と言って選挙をたたかい、TPP賛成、推進に回っている。

原発事故について安倍首相は講演説した。

「会長、そしてIOCの方々、私たちにとって2020年のオリンピックを開催することは名誉なことになると思います。世界で最も安全な都市の一つです。それは今でも、そして2020年でも同じです。懸念を持っていらっしゃる方もいるかもしれません。福島第一原発について。私はみなさんにお約束します。状況はコントロールされております。私たちは決して東京にダメージを与えるようなことは許しません。決してダメージを与えることはありません。そして新しいスタジアムが完成するんです。そして2020年のオリンピックは安全にきちんと実行されることを保障します。財政的にも整っています。そして今日みなさんにメッセージをお伝えしたいと思います。私たち日本は本当に信じています。オリンピックムーブメントを信じています。私自身も一つの例だと思っています。」

記者への質問に対して、

「汚染水による影響は、ま、まぁ、第一原発の港湾内の0.3平方km範囲内、の中で、完全に、ブロック、されています。え~、福島のキ、近海で、私たちは、モニタリングを、行っています。ま、その・・・結果、え~、数値は最大でも、WHOの飲料水の水質ガイドラインの、500分の1であります。これが事実です。」

と答弁している。

こういう話をした首相がどうして現在もなお首相の地位にあるのか。

戦争法をめぐる論戦でも同じことがいえる。
歴代自民党が明らかにしてきた集団的自衛権は、憲法第9条のもとでは明らかに違憲、憲法九条の下で集団的自衛権は行使できないと言っていたのに、解釈改憲に踏み切り、集団的自衛権行使を含む戦争法案を強行採決したのは、日本国憲法を否定するものだった。立憲主義、民主主義を守れという声が上がり、圧倒的多数の憲法学者、弁護士が反対し、元最高裁の長官、判事も反対の態度を表明した。国民の多数がこの法案に反対し、今国会で成立すべきではないという態度を70%近くの国民が表明していた。

国会論戦は、ことごとく破たんした。集団的自衛権行使の事例として言っていた米軍艦船に邦人が乗っている場合、日本が公海上でアメリカの船を守る話やホルムズ海峡での機雷除去の話は、論戦の中で論理を維持できず、邦人が乗っていなくても護衛できるとか、ホルムズ海峡での機雷除去は想定していないと答弁するに至り、律法の根拠としていた事例を自ら否定するに至った。
こういう事態に陥ってもどうして政権を維持することができるのか。

それは、安倍さんに政権を維持することのできる力があるからなのか。そうではないだろう。安倍政権を支えている力というものがあるだろう。失言を重ねても、政権を維持できる力。それが一体何なのか。
この問題を少し追求してみたい。


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雑感

Posted by 東芝 弘明