北朝鮮の弾道ミサイル、迎撃は不可能だ

出来事

ようやく紀の川市のビラが表裏一応完成した。今回は、ビラの内容については宮井議員が作りぼくが完成させるという形をとった。ぼくは整形するだけだったが、それでもかなり時間がかかった。

そうそう、朝5時57分頃、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した。北朝鮮の暴挙は許しがたいものであり、対話による解決に道を開くためにアメリカも日本も力を尽くすべきだということを前提に少し書いてみよう。

NHKニュースを引用してみる。

防衛省 北朝鮮ミサイル 3つに分離してない可能性も

8月29日 20時20分

防衛省は、今回の弾道ミサイルについて日本海の上空で3つに分離した可能性があるとしていましたが、さらに分析を進めたところ分離していない可能性もあると説明を改めました。当初はレーダーでとらえたミサイルの航跡では、3つに分離したように見えたことから初期の分析として説明したということです。
政府は、北朝鮮が29日朝に発射した弾道ミサイルをめぐって、日本海上空で3つに分離した可能性があるなどと、自治体などにメールで連絡するエムネット=緊急情報ネットワークシステムで発信し、菅官房長官が記者会見で説明しました。

これについて、防衛省は29日夜、さまざまな情報を総合的に分析した結果、分離していない可能性もあるとして、これまでの説明を修正しました。防衛省によりますと、レーダーでは3つのミサイルの航跡が確認されましたが、気象状況などによっては、実際は1つのものが複数に映ることもあるということで、引き続き分析を進めることにしています。

また、弾道ミサイルが北朝鮮西岸のスナン(順安)から発射されるのは今回が初めてだということで、「奇襲的な攻撃能力を向上させる一環ということも考えられる」としています。

防衛相「詳細な分析が必要」

小野寺防衛大臣は防衛省で記者団に対し、「レーダーの航跡やその他、技術的な部分で分析をしている。いずれにしても飛しょう体がどういう形で飛んでいくかは詳細な分析が必要であり、技術的にやっていく」と述べました。

これがNHKの8時台のニュースだった。安倍さんの揚げ足を取って申し訳ないが、
我が国の首相の安倍さんは記者会見で談話を発表した。

首相官邸の文書を引用してみよう。

平成29年8月29日、安倍総理は、総理大臣官邸で会見を行いました。

 総理は、北朝鮮による弾道ミサイル発射事案について次のように述べました。

「北朝鮮が発射した弾道ミサイルが我が国上空を通過し、太平洋に落下いたしました。
 政府としては、ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握しており、国民の生命を守るために万全の態勢を取ってまいりました。
 我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威であり、地域の平和と安全を著しく損なうものであり、断固たる抗議を北朝鮮に対して行いました。国連安保理に対して緊急会合の開催を要請します。国際社会と連携し、北朝鮮に対する更なる圧力の強化を日本は強く国連の場において求めてまいります。
 強固な日米同盟の下、いかなる状況にも対応できるよう緊張感を持って、国民の安全そして安心の確保に万全を期してまいります。」

「政府としては、ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握しており」というのが、おかしいというか悲しい。レーダーでは3つのミサイルの航跡が確認されましたが、気象状況などによっては、実際は1つのものが複数に映ることもあるということで、引き続き分析を進めることにしています」ということになったので、今日1日の内に首相の言葉が宙に浮くことになった。
ミサイルが3つに分離した可能性があるという政府の当初の判断は、「全国瞬時警報システム(Jアラート)を12道県に配信」するという判断を生み出した。しかし、そういう判断が誤っていた可能性があるということだ。「ミサイルの動きを完全に把握しており」という安倍さんの談話は、「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」というオリンピック誘致の際の最終プレゼンの時のスピーチと同じ性質のものだろう。


この画像はYahoo!ニュースにあったのと同じものだ。
Jアラートが配信されたのは、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県。合計12道県にも及ぶ。最初から550キロメートルの高度を飛び、2700キロメートルの飛距離をもったものであることが分かっていたのであれば、このような対応は必要ないことは明らかだ。念のために、万が一のためにということで、情報配信がなされたというのであればまだ理解できる。「ミサイルの動きを完全に把握しており」などといわれると、噛みついてみたくなる。

我が国は、政府の最高責任者である首相が、平気で事実と違うことを語る国になってしまった。「我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威」というのも、明らかに事実と違う。北朝鮮のミサイルは、日本の上空を何回も通過して太平洋に落ちている。

首相の談話は勇ましいが、高度550キロメートルというのは、日本の防衛システムを活用してミサイルを迎撃するというのは、不可能だということも明らかになった。迎撃用のミサイルであるパトリオットと呼ばれているPAC3の性能は次のとおり。

PAC-3ミサイル
全  長:5.2m
翼  幅:0.48m
弾体直径:0.25m
重  量:315kg
最大射程:20km
最大射高:15000m
最低射高:50m
メーカー:ロッキード・マーチン社他

最大射程20キロメートルで、最大射高15キロメートルということなので、最大射高550キロメートル、飛行距離2700キロメートルという今回のミサイルを打ち落とすことは全くできない。こういう基本的なことは安倍さんにはどうも関係がないようだ。平気でウソをいい、そのあと現時点でも訂正はしていない。
twitterでは、「日本上空では高度550キロに達し、これはスペースシャトルが使う軌道よりも150キロも上空なので、地上側からの「迎撃」はいかなる兵器でも不可能なのですが、この辺を冷静に伝える報道が余りないですね。北ミサイル 迎撃措置を取らず」(北川まさひでさん)という指摘があった。そのとおりだと思う。

また、こんな指摘もあった。
「スンゲェ世の中だよなぁ。Jアラートで大騒ぎした直後のニュースが「大飯原発再稼働」だって。いや〜ついて行けん。原発事故1つで思考停止して国を売りさばくような人間には、ホント政治に関わって貰いたくないわ。この先も馬鹿の祭りが続くんだと思うとホントやってられない。なんて悲惨なお笑いか。」(K Wayさん)

全く同感だ。私たちは、北朝鮮の弾道ミサイルを脅威だと考え、同時に原発再稼働は当然だと考える国に生きている。弾道ミサイルが原発を狙って撃ち込まれたらということは、全く結びつかないらしい。本気で北朝鮮が脅威であるならば、原発再稼働はやめるべきだろう。少なくとも原発再稼働は、バランスを欠いた態度ではないだろうか。
北朝鮮を脅威だと考える人は、原発再稼働には反対しなくっちゃ、道理が合わない。


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出来事

Posted by 東芝 弘明