会議に遅れて参加
大きな窓から見える山は、手を伸ばせば届きそうなぐらい鮮明だった。紅葉の始まりが山を鮮やかにしていた。空は青かった。
雨が長く降り、空もどんよりとした日が多かったので、今日は胸の中に青さがしみ込むような天気だった。
会場に着いたのは、2時30分を過ぎていた。こんなに遅くなったのはぼくだけだった。
エレベーターのボタンを押し、会場の前に作られていた受付に立つと、中年の男が2人、なかなか合わないお金を勘定していた。
資料をもらって、ドアの中に入った。多くの人の背中が目に飛び込んできた。
端から端を見渡し、空いている席を探す。一番最後尾の席が一つ空いていた。
「ここ開いてますか」
声をかけて男の人2人の間の席に座った。
休みの日の和歌山市内は、車が少ない。多いのは国体道路だ。この道を直進し抜けようとして和歌山駅から紀三井寺まで1時間かかったことがある。とくに午後の渋滞がひどい。
帰りの時もこの国体道路を眺めて歩いた。やはり車の流れが悪い。
この道を回避して、車を走らせた。
30年前よりも道は格段によくなった。しかし、市内の人口は減少し、街にひなびた感じがにじみ出ている。寂しい感じが街の空気になっている。
Subscribe
Login
0 Comments
Oldest