雨のち
「電車が萩原の踏切で止まった」
娘からラインが入った。
確認できたのは、電車が笠田駅に着いているはずの時刻だった。
「迎えに行ったろか」
「ドアが開けへんからダメやで」
「雨降っているか見て」
変なメールだ。電車の窓から見えるやろ。
「駅で待ってて」
返事が返ってきたので上着を着ていると、妻が語気強く言った。
「お父さん、雨降ってたら迎えに行ってあげていいけど、降ってなかったら、自転車で帰ってこささな」
なるほど、もっともな意見だ。
外に出てみると、風が強く横殴りの雨が降っていた。
「雨降ってるから迎えに行ってくるわ」
駅に着いたのは何時だったんだろう。
「電車動いた」
娘のラインと一緒に電車の灯りが見えた。
冷たい雨と一緒に娘が車に乗り込んできた。
この雨は、何時頃から雪に変わるんだろう。
そんなことが浮かんできた。
