憲法9条を現行のまま存続させることを求める意見書に対する賛成討論
明日行う賛成討論の一本です。
憲法9条を現行のまま存続させることを求める意見書に対する賛成討論
憲法9条を現行のまま存続させることを求める意見書に対する賛成討論を行います。自民党は3月22日、9条改憲のとりまとめの骨格案を示しつつ、細田博之本部長に一任しました。骨格案は、たたき台素案と呼ばれるもので、第9条の2の第1項として「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として」「自衛隊を保持する」と規定しています。この書き方でいえば、新しく付け加わる9条の2の第1項は、現憲法の9条2項を否定し、例外規定として自衛隊を保持できるというものです。しかも、必要最小限度の実力組織という従来の規定を取り払うものになっています。
このような条文を付けくわえると、意見書が書いているとおり、「後でできた条文が先の条文に優先する」ことになり、9条2項が死文化してしまいます。しかも、自衛隊は、国連憲章が認めている個別的自衛権と集団的自衛権を持つようになり、「我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために」という理由で、海外における戦争に参加できるようになります。しかも、自民党の骨格案は、「内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする」と規定しており、内閣総理大臣に特別の権限を与えるものになっています。内閣総理大臣に特別の権限を与えるこの規定は、合議制によって内閣を運営する仕組みを変更し、日本の成り立ちを大きく変えるものに他なりません。
現在、地球上には、国家間の戦争がほとんど存在しなくなりました。それは、国家間の戦争が犯罪となり、国連で否定されているからに他なりません。そういう国際情勢のもとで、韓国と北朝鮮間で起こった朝鮮戦争は停戦状態のままです。国家間の戦争の数少ない例が朝鮮半島に存在するということです。
北朝鮮は、数年来、一貫してアメリカを相手に徴発を続けてきました。北朝鮮がアメリカを相手にするのは、アメリカが朝鮮戦争の当事者だからです。アメリカを巻き込んで北朝鮮とアメリカが戦争になったら、停戦合意が破られ、朝鮮戦争が始まってしまいます。そうなると韓国と北朝鮮、アメリカが戦争状態になり、中国や日本も戦争に巻き込まれる危険性があります。
北朝鮮問題は、どんなことがあっても戦争を回避するなかで解決しなければなりません。そのためには、北朝鮮と韓国、北朝鮮とアメリカによる話し合いが決定的に重要になります。日本は、北朝鮮問題に対し、朝鮮戦争に参加しなかった国として、また憲法9条をもつ国として、戦争を回避するよう働きかけるべきです。
北朝鮮問題で最も有効なのは、憲法9条の精神を生かした平和外交に他なりません。現実の問題として北朝鮮と韓国、北朝鮮とアメリカの首脳会談が開かれるようになり、戦争を回避できる展望が出てきました。日本国憲法第9条の精神が、国際政治の中に生きていると思います。
日本は、第2次世界大戦を最後まで戦った国でした。日本による戦争は、朝鮮半島や中国大陸、東南アジアへの戦争の拡大という形で大規模に行われ、第2次世界大戦のときには、日本国民310万人、アジア諸国民2000万人の命を奪う結果を引きおこしました。第2次世界大戦は全世界で5000万人もの人間の命を奪うものでした。大日本帝国が受け入れたポツダム宣言は、日本の軍国主義の除去、日本の民主主義の復活、軍隊の即時解散などを求めたものです。この宣言を受け入れたところから戦後は始まりました。
日本の国の都市は、空襲によって焼け野原になり、広島・長崎には原子爆弾が投下されました。
「もう二度と戦争を繰り返してはならない」
これが当時の日本国民の心の底からの願いだったと思います。この中から生まれたのが日本国憲法でした。日本国憲法は、大日本帝国議会の中で、大日本帝国憲法の一部改正として制定されたものです。日本国憲法の条文が、大日本帝国憲法の章立てと同じなのは、大日本帝国憲法の一条一条を見直して作られたからです。
日本国憲法が諸外国の憲法と比較して、豊かな人権規定を持っているのは、大日本帝国憲法下で国民の基本的人権が著しく制限されていたことを物語っています。日本国憲法の国民主権と基本的人権、恒久平和という3原則は、不可分一体のものです。国民に主権があり、天賦人権説に立った豊かな基本的人権をもち、同時に国の交戦権を否定し、軍隊を持たない国は、二度と国家による戦争をしない国だということです。
国民主権と基本的人権は、憲法9条があってこそ保障されます。憲法9条が壊されたら国民主権も基本的人権も制限されるのは極めて明白です。
憲法9条は、軍隊を持たない、国の交戦権は認めないという規定によって、国家の手を縛り続けています。憲法9条は、国家の手を縛ることによって、国民の平和の下に生きる権利と自由、民主主義を守っています。
戦後73年間、日本は戦争をせず、参加もしませんでした。明治時代の77年間がほとんど戦争に明け暮れた時代だったことを考えると、日本国憲法こそが、日本国民を戦争から守ったことがよく分かります。
アジア太平洋戦争は、当時、大東亜戦争と呼ばれ、この戦争は自衛のための戦争だと主張されました。戦後、行われた数多くの侵略戦争も全て自衛のための戦争だという理由で行われています。イラク戦争も、アフガニスタン戦争も、あのベトナム戦争でさえ、自衛のための戦争だとアメリカは主張しました。
自衛隊から最小限限度という規定を取り、集団的自衛権を行使できるようになれば、アメリカのいう偽りの「自衛戦争」に日本が参加する可能性が高まります。すでに新日米ガイドラインは、地球的規模で日米が軍事的に協力するものになっており、自民党が計画する憲法改正は、新日米ガイドラインによる軍事行動に道を開くものになってしまいます。
自衛のためだといったアジア太平洋戦争のとき、私の父は、中国戦線で偵察隊、いわゆる斥候という任務に就いていました。父は生前、私の従兄に「どれだけ中国人を殺したか分からない」と語っていました。命を奪った中には男も女も子どもも老人もいた、ほとんどが普通の民間人だったということです。父は、戦後、浴びるように酒を飲んで内臓を壊し、私が6歳の時に脳溢血で亡くなりました。戦後20年が経っていました。酒を飲んでは軍歌を歌い、暴れ、家族にも暴力をふるっていた父は、戦後の20年間、戦争に魂を奪われていたのだと思います。
戦争は父のような人間をどれだけ生みだしたのでしょうか。日本が戦争に参加するということは、父のような人間を生み出すことを意味します。こんな歴史を絶対に繰り返してはなりません。
二度と戦争をしないという戦後の原点は、戦後の保守政治の原点でもあります。憲法9条を生み出した力は、自民党の先輩たちの中にも脈々と流れている精神でした。憲法9条を守る運動には、党派なんて関係ありません。戦後の原点を守り平和を維持する運動は、国民の根本的利益を守る運動だということを訴えて、私の賛成討論と致します。









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