論文との格闘
予算質疑のための論文を読んでいるとかなり疲れてくる。気分転換のために目の前の本棚にあった向田邦子の『愛という字』という単行本を手に取って、少し読んでみた。この本に掲載されている『びっくり箱』という名の小説だった。愛しさとあったので読み方を検索して、ぽってりした口許とあったのでぽってりした口についてネットで画像検索した。画像の中には石原さとみさんもいた。なるほど。
調べ癖が付いているので、こんな読み方が板に付いてしまったのか。でも、情景を描写している文章を読むと堅い論文にももう一度向き合おうかという気持ちになる。それでも、午後3時前になると眠たくなってきたので、ファンヒーターの温風に足をあてて少しうたた寝した。起きてから1階に降りてコーヒーを入れ、冷凍庫にあった花坂の焼き餅をレンジで温めてお茶請けにしようとした。
1分間チンすると焼き餅は袋からはみ出してアツアツになってしまった。破裂してレンジの底にお餅が少しこびりついている。それをキッチンぺーパーで拭き取ってから、食卓でお餅と一緒にコーヒーを飲んだ。コーヒーはいつもブラックで飲む。一人用のアルミフィルムに入ったドリップが美味しい。
書斎のカーペットの上には、ベストエッセイ集の最後の本『人間はすごいな』も本棚から離れて置かれている。こっちのエッセイもいくつか読んだ。胸にしみる話が書かれている。
「こんなに温かいのにファンヒーターつけてんの?」
妻がそう聞いた。「足下が寒いから」そう答えるとふうんという感じになった。さて、もう一度論文と格闘しよう。