懐かしい雨だった

出来事

8月5日にペンキを塗った少し前から空は晴れていた。ペンキを塗った日は気温も高かったが、空気は割にカラッとしていた。階段の上の方の1つの踏板を塗り直したので、ペンキ塗り立ての紙をセロテープで止めると、紙がペンキを塗った踏板に張り付いてしまった。
「雨が降ったら張り付いた紙もすぐなくなるだろう」
そう思っていたが、そこから先、雨は全く降らなかった。
今日は8月の22日。昼過ぎから暗くなってきて、2時に事務所に戻ったときはかなり風が吹いていた。今にも雨が降りそうだった。
仕事をしていると激しい雨になった。雨の音が事務所の建物に当たって聞こえてくる。懐かしい感じの音がした。

人は雨ばかり続くと晴れた空と空気が恋しくなり、晴ればかり続くと雨と湿った空気がほしくなる。欠けているものに対する憧れは、今欠けているものが何であるかを知っているからだろう。激しい雨は夕立のようにしばらくすると上がってしまった。太陽の光によって熱くなっていた地面や草原、建物に冷たい雨が当たると、少し鉄のような匂いがする。事務所の2階に上って雨漏りが発生していないか見に行ったときに、雨上がりのあとの匂いさえ懐かしく感じた。

階段の踏板に張り付いた紙は、少々の雨には何の影響もなかった。
もう少し雨が恋しい。


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Posted by 東芝 弘明