6月議会終了　2005年6月21日（火）

2005年6月21日かつらぎ町議会

今日は6月議会最終日。
補正予算も人事異動にともなう人件費の組み替えだったのでそんなに長くかからないうちに終了すると思っていたのに、結局終了したのは4時30分過ぎだった。
一般会計補正予算が全会一致で可決したときに、九度山の母子寮「わかくさ」の全面改築の分担金を計上する補正予算が議案として提案された。この追加議案は午後の審議となった。
午前中は、6月議会当初に提案された一般会計の補正予算までの質疑となった。
午後、「わかくさ」の予算について、まず宮井議員が質疑に立った。
宮井議員は、3月29日に町長が予算を取り下げたにもかかわらず、わずか4日後の一部事務組合議会の議員全員協議会で、この決意がなぜひるがえったのかを問い質した。
町長は、結局「私の力不足だった」という答弁をおこなった。
3月議会、町長は、渋田小学校の建設さえままならず、福祉や教育・必要な建設予算も削減しているなかで、あまりにもズサンな母子寮建設にGOサインを出すのかという訴えに、予算の取り下げを決意した。しかし、この決意はわずか4日しかもたなかったことになる。
すでに母子寮の全面改築は決定されていた。その中で予算を取り下げた町長の決断は重かったはずだ。
「私の力不足」では説明になっていない。
4月2日の組合議会の議員全員協議会で一体何が確認されたのか、紹介したい。
議員全員協議会では、「施設改築については、最終確認を行い計画を決定する」ことが確認された。また、職員の不正採用（施設長がみずからの権限の範囲を超え、勝手に職員を公募もせずに採用した問題）でも「管理者については責任がなく施設長について、管理者から口頭注意する」ことも確認された。
しかし、そもそも全員協議会というのは、議案や団体の意思を決定する権限のない会議のはずである。ここで改築の最終確認がおこなわれたり、処分なしということを決めるということはあり得ない。このあり得ないことがおこなわれている一部事務組合は、議会の体をなしていない。
宮井議員は、土地の価格の問題も取り上げた。
結局、予定している土地は、大畑氏の所有する3筆であることが明らかになった。3月末まで、建設予定地が大畑氏の土地であることは明らかにされなかった。町当局が一部事務組合に問い質しても「お答えできない」というのが返答だった。3月末の時点では、町長でさえ場所がどこなのかはっきりしなかった。
宮井議員は、地価公示価格との対比でいっても、予定されている購入費は、高く設定されている疑いが濃いことを明らかにした。
大畑氏は、奧野町長の後援会の幹部であり、奧野町長の後援会に対し、町長選挙のあった年、寄付をしている人物である。
なぜ、今年の3月末まで建設予定地が明らかにならなかったのか。疑問が残る。
県は国に申請したこの事業の交付決定を待っている。
6月上旬に決定が下りる予定だったが、6月17日の金曜日の時点では、まだ交付決定は下りていない。そういう時点にあるにもかかわらず、大畑氏のもっていた土地に建っていた工場は撤去され更地になっている。まだ事業の見通しが立っていない段階で、すでに建設事業は動き始めている。
私は、このことを指摘して、町の負担増がどれだけになるのかを質問した。
また、全員協議会で物事が決定された異常性を指摘して、議会なら一般質問などもおこなって、議会らしい運営をおこない、闘っていただきたいと訴えた。
町長が議会という仕組みを利用して闘う気があれば、もっと有効な闘いを展開できる。議会の仕組みを駆使できないのであれば、議員として、その資質が問われる。
結局、保守系議員と公明議員は全員、近隣の市町村とのつきあいがあるからということでこの補正予算に黙って賛成した。議員は、1663万5000円の予算計上を提起されても、ご無理ごもっともという態度を取った。
私は、水道事業会計決算に対して、反対討論をおこない、意見書の採決をめぐってもいくつかの質疑をおこなった。道路特定財源の堅持を求める意見書については、予定どおり反対討論をおこなった。
かつらぎ町は、今議会で市場化テスト反対の意見書を国と衆参議長宛に提出した。これは積極的な意義のあることだった。
議会が終わると疲れもあるが開放感もある。これは一種の充実感なのかもしれない。
議会ごとに色々な出来事が起こる。議会は生き物。やり取りは真剣だ。
結論からみれば、議会が決定したものには、良かったり悪かったりすることが入り交じるのだが、全力を尽くしてやり取りしたことは、次第に行政の中に生きてくる。そう実感している。
今回の母子寮の件にもこれは当てはまると信じる。
なれ合いの中から進歩は生まれない。