アメリカの中間選挙の結果に寄せて

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アメリカの中間選挙では、下院の結果が出て民主党が共和党に勝った。上院も民主党が共和党を上回る可能性がある。
共和党が敗れた要因は、イラク戦争に対するアメリカ国民の批判の強まりがあるということらしい。
イラクには大量破壊兵器は存在せず、テロリストとフセイン政権との関係もなかったことが明らかになっていた。イラクにおける混乱はおさまらず、10月のアメリカ兵の死者は100人に達し、今年最悪の記録となった。
ギャラップ社が3日に発表した世論調査によれば、選挙の判断材料として、「大統領や議会が最優先で取り組むべき問題」で「イラク問題」をあげた人が、64%にのぼった。同社の調査には、55%のアメリカ人が、イラク戦争は間違いだったと答えた調査もあるようだ。
日本で、イラク戦争は正しかったと思うかどうかを問うとどんな答えが返ってくるだろうか。もし、世論調査がおこなわれると、正しい戦争でなかったという答えが増えているかも知れない。しかし、アメリカのような批判の流れが強く大規模に起こっているとはいいがたいように思う。
国民の意識動向に目を向ける前に、どうしても言わなければならないことがある。いうべき相手はマスコミだ。
国民にイラク戦争の情報を提供してきたマスコミには、問いたださなければならない問題がある。
戦争が始まるとNHKを先頭に戦局報道をおこない、どのような作戦でバグダッドを陥落するのかということをあれこれシミュレーションして見せたりしていた。読売新聞は、イラク戦争を「侵攻」とは書かず「進攻」と書き、2003年3月21日の社説では、「非はイラクにあり、米英の主張には理がある。日米同盟堅持が国益」だと書いた。
果たしてこれらの報道姿勢は正しかったのだろうか。
NHKも読売も検証などしない。自らがしないのであれば、当時の社説と最近の社説を2つ並べて、比較検討するような報道があってもいいだろう。
この戦争は最初から、アメリカとイギリスによるイラクに対する主権侵害の侵略戦争だった。これを戦争当初から指摘し、この戦争には組みしない、断固反対するという姿勢をとるのが、ジャーナリストの責任だったはずだ。
アメリカ本国で、ブッシュ大統領は自分のとった判断によって苦境に立たされている。しかし、それは当然のことだろう。
小泉総理はどうだろうか。日本はアメリカとイギリスが引き起こしたイラク戦争に最初から直ちに支持を表明した。この判断は正しかったのだろうか。アメリカ本国のブッシュ大統領と同じように小泉さんは責任を問われるべきだろう。この問題を追及しないマスコミというのはいったい何だろう。アメリカの選挙の動きを見ると、日本社会の方がアメリカよりも異常な情報操作の中にある国だと思ってしまう。日本のマスコミは、かなり異常なところに来ているのではなかろうか。
フセイン大統領は、人道に対する罪が問われ、死刑判決をうけた。しかし、フセイン大統領が裁かれるのであれば、ブッシュ大統領もブレア首相も裁かれなければならない。罪のないイラク人を大量に殺害した罪は、この2人にもあるだろう。
戦争の根拠が崩壊したのだから、この戦争は不正義の戦争だったということも確定するだろう。
誰が、何のためにこの戦争をしかけたのか。こういう角度から、戦争の責任を問う必要があるのではなかろうか。
その国の運命は、その国の国民が決める。外国が勝手に悪だと判断して武力で政権を転覆させる権利はない。アメリカとイギリスには、神に成りかわって世界を裁く権利を有さない。


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Posted by 東芝 弘明