『これさえ知っておけば、小説は簡単に書けます。』
『これさえ知っておけば、小説は簡単に書けます。』という本を読んだ。こういう本は、少しずつ得るものがある。
小説は才能で書くものではないと思う。文章の書く力の先に小説もある。シーンを描く積み重ねによって、小説が立ちのぼってくるというように思う。誰の視点で話を展開することが重要になる。ここが混乱すると読み手は付いて来られなくなる。描写を重ねるという文章は、日常の文章の中には出てこない。それは小説というジャンルが、組み立ててきたもの。シーンを重ねる中でテーマが浮き彫りになり、このシーンの中で生きている人間を通じて、伝えたいものを一生懸命に伝えるところに小説の世界があるのだと思う。
今回の本では、起承転結の物語の組み立ての中で、とにかく「転」を意識して書けと書いていた。「転」を重ね続ける努力をしようということだ。この視点は面白かった。話を転じていく中に物語の変化がある。この変化の中に伝えたいことを盛り込んでいくということだろう。
目に見えるように描写をすることを心がけたい。向田邦子さんの文章は、目に見える。それは、向田邦子さんが、頭の中に映像を置いて、それを描写していたから見えるように書けたのだろう。見えるように書きたいという前に、頭に浮かんだ映像を文章に写す、写しながらさらに一層、映像化していく。文章を書きながら映像化を進めるというとだろう。一旦、ざーっと書いて読み直して手を入れる。これを繰り返していくと目に見える映像は、さらに鮮明になる。最近はそういうことが分かってきた。
例えばこんな感じ。
青い空に刷毛で塗ったような雲が、空の高いところに張り付いているように見えた。祐二は「秋になると空が高くなるよな」と独りごちて車のハンドルを切った。十一月半ばの日曜日の昼下がりだった。
こういうことを重ねていくと、目に見えるシーンが書ける。









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