思い残し

雑感

10時に同級生に会った。65歳になったし、病気もしたので残された人生を考え始めていた。それはぼくも同じだ。

人生は短い。人はこの世に未練を残してこの世を去るのだと思う。死ぬ覚悟なんてなくてもいいと思う。明日も元気にと思いつつ、コロリと死んでしまうというのがいいかも知れない。自分の死を自分でコントロールできないのは、生物にとっては、かなり本質的なことではないだろうか。それは動物も人間も同じ。
自分の人生を振り返ると、思い残していることを明らかにしたいという。その話に耳を傾けていると、自分たち兄妹のことが浮かんできた。
僕たち兄弟には顔さえ知らない兄がいる。それは、母が乱暴された末に産んだ男の子だった。生きているとすれば70代後半かも知れない。母は姉の力を得て、このことで裁判を起こし、裁判に勝ったことによって教師を続けることができた。未婚の母になった若き母は、わが子を里子に出し、依頼その子とは会っていないように思う。和歌山県内でぼくたち3人の兄にあたる人は生きており、ぼくたちとの関わりのないまま、全く違う環境で生きてきた。
母の姉が生きていたとき、ぼくたちの兄にあたる人について、母の姉は「消防の仕事に就いている」と語っていた。和歌山県内のどの地域で暮らしているかも全く知らない。この事情を知っている母の姉弟も亡くなった。人伝てに調べることも難しいだろう。年齢のことを考えると生きているのかどうかさえよく分からない。
その人は自分の出自について、知りたいという思いを持っていることだけは、母の姉から聞いたことがある。その人から「母がどうしているか」を尋ねられたとき、すでに母は亡くなっていた。ぼくは、母の姉の通夜の席で、もしかしたらその人も通夜に来ているかも知れないという気持ちになった。この気持ちがいつまで経っても消えない。

人生にはいろいろなことがある。人間関係に踏み込んで琴線に触れるような関係を結ぶ勇気を持ちたいとも思う。

同級生から話を聞いて、久しぶりに同級生のアルバムを開いてみた。


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雑感

Posted by 東芝 弘明