消費税、社会保障の財源論は後出しじゃんけん

雑感

財務省の税収の推移のグラフというのはつくづく面白い。もう少し追記しておこう。
事実の問題として、確認すべきなのは、消費税導入の理由だ。社会保障の財源として消費税を導入するなんてことは全く言っていなかった。もし、これを理由にするとどうなっていたか。じゃあどうして3%という小さな税で始めるのかということに答えられない。消費税の導入の理由は直間比率の見直しが唯一の理由だった。「小さく産んで大きく育てる」とか言っていた。

ジェミニというGoogleのAIに聞いてみた。このAIは賢そうだ。

消費税導入時の議論と社会保障財源

消費税が導入された1989年(平成元年)当時、政府が示していた導入理由として、「社会保障財源」という言葉が直接的に前面に出ていたかというと、その表現は少なかったと言えます。

当時の主要な導入理由は、以下の点が強調されていました。

  • 高齢化社会の到来への対応: 将来的な高齢化の進展に伴う社会保障費の増加への漠然とした懸念はありましたが、特定の財源として消費税を明確に位置づける表現は控えめでした。むしろ、税収全体の安定化という文脈で語られることが多かったようです。
  • 財政健全化: 国債の累積など、当時の厳しい財政状況を改善するために、安定的な税収を確保する必要性が強調されました。
  • 税体系の是正と公平性の確保: 所得税や法人税に偏っていた税体系を見直し、間接税である消費税を導入することで、税負担の公平性を図るという側面が強調されました。所得の捕捉が難しい自営業者などからも広く税を徴収できる、という理屈です。
  • 国際化への対応: 多くの先進国で付加価値税が導入されていたことから、日本も国際的な税制に合わせるべきだという意見もありました。

その後の変化

しかし、消費税率が引き上げられるたびに、その使途として社会保障財源の確保が大きく打ち出されるようになりました。

  • 2012年の税と社会保障の一体改革では、「社会保障の安定財源確保」が消費税率引き上げの最大の理由とされ、法律にも明記されました。

このように、消費税導入当初と、その後の税率引き上げ時では、政府が強調する導入理由が変化しているのが実情です。当初は税体系全体の見直しや財政健全化が主な目的とされつつ、高齢化の進展とともに社会保障財源としての側面が強く意識されるようになったと言えます。

重ねてジェミニに次のような質問もしてみた。

問 消費税は直間比率の見直しのために導入されたという側面はありますか 

はい、消費税は直間比率の見直しのために導入されたという側面は強くあります。

前回の回答でも触れたように、消費税導入時の主要な理由の一つとして、「税体系の是正と公平性の確保」が挙げられていました。これは具体的に、所得税や法人税といった直接税に税収が偏っていた当時の税体系を、消費税という間接税を導入することで是正し、直接税と間接税の比率(直間比率)を見直すという意図がありました。

当時の政府は、以下のような点を問題視していました。

  • 直接税への過度な依存: 所得税や法人税は景気変動の影響を受けやすく、税収が不安定になりがちでした。また、所得の捕捉が難しい業種や個人からの課税が不十分であるという批判もありました。
  • 税負担の公平性の問題: 直接税中心の税体系では、所得の捕捉が難しい層からの税負担が相対的に軽くなるという不公平感が指摘されていました。

    消費税は、所得の多寡にかかわらず広く薄く課税される間接税であるため、これを導入することで、税収の安定化を図るとともに、より多くの国民から税を徴収することで税負担の公平性を高めるという目的がありました。
    したがって、消費税導入は、単なる財源確保だけでなく、税体系全体のバランスを是正し、直間比率を見直すという重要な政策的側面を持っていたと言えます。

ありがとう、ジェミニ君。書かれている文章の中で、突っ込みたくなる記述はあるが、消費税は直間比率の見直しだったのか、社会保障財源論が中心だったのかは、よく分かる文章になっている。
社会保障の財源として位置づけたのは2012年ということだろう。まさに理由の後出しじゃんけん。それでも目的税にはなっていない。あくまでも一般財源。これが消費税の姿だ。

グラフの読み取りに戻ろう。
法人税収は消費税導入の前後も含め、ようやく過去最高の19.2兆円になっている。過去最も高かった時期は1989年の19兆円。36年間で法人税の税収が伸びなかった最大の原因は法人税減税にある。バブル経済による落ち込みの底打ちは1993年なので、もっと打つ手はあっただろう。消費税を3%から5%に引き上げたのは1997年。8%に引き上げたのが2014年。10%に引き上げたのは令和2年ということが読み取れるが、果たしてグラフどおりだろうか。

所得税の税収のピークは、1991年の26.7兆円。現在が22.7兆円。消費税の増税で痛めつけられた経済は、所得税の減少にも大きく反映している。

消費税は、直間比率の見直しという初期目的を貫徹している。それによって日本経済を大きく歪め、国民を痛め続けているという最悪の税収になっている。

雑感

Posted by 東芝 弘明