かつらぎ町は未払いの残業代を払うべきだ
12月議会が始まった。
人事では、豊岡博行氏(63歳)を副町長に選任するための同意を求める議案が提出され、議会は全会一致で同意した。日本共産党議員団も今回の副町長人事に賛成した。井本町長の掲げている公約が、日本共産党が提案してきた政策と一致していることが同意した最大の理由だ。
ただし、井本町長の進める町政運営に対しては、是々非々で対応する。これを基本的なスタンスにすることも議員団は確認している。かつらぎ町は、少子化と高齢化、過疎化が同時に進行する中で地域経済の活力が失われ、地域の衰退傾向が現れている。このような現状を打開して、活力ある住みよい町をつくることが切実に問われている。
町民の意見に耳を傾け、町民とのコラボレーションを進め、町民の願いの実現を基本に活性化を目指す。これが日本共産党の立場だ。このような観点から井本町長の町政運営を見ていくとともに、積極的な提案をおこない、掲げている方向に町政が動くことを求める。
町議団が掲げている尺度は、静的なものではなく発展を切り拓くという点では動的な尺度(こういうものがあればの話だが)だといえる。
町長の議会に対する冒頭のあいさつで、平成23年度中に16人が退職することが報告された。このうち10人が早期退職するのだという。これに対し今年の採用試験で採用された町職員は8人だった。職員の早期退職が止まらない。
早期退職の背景には、働く意欲の低下があるのではないだろうか。
意欲低下の根底には残業代を支払わない問題が横たわっているように見える。
予算には、残業代が計上されているが、この予算を使い果たした後は、残業代は支払われず永久代休という名で残業時間のカウントが始まる。22年度までは給料の4%まで残業代を抑えるとしてきたが、平成23年度は実情に合わせて少し緩和したのだという。しかし、予算を消化した後は、永久代休としてカウントするという方針は変わっていない。このような方針は、かつらぎ町の中にはかなり古くから存在するようだ。
一番多い人の永久代休(=事実上の未払い残業時間)は2000時間を超えている。時間あたりの残業代が2000円だとすると400万円。1000円でも200万円になる。
労働組合は、集団で永久代休となっている残業時間に対して、一人ひとりの職員の請求書を作り、「残業代をすべて支払え」という運動を起こすべきではないだろうか。労働者には残業代を請求する権利があるし、雇用者この残業代を支払わなければならない義務がある。これを誤魔化すことは許されない。
すべての職員の永久代休の総時間数はいくらあるのか、一人平均どれだけの永久代休が存在しているのか、この数値はまだ明らかになっていない。
永久代休は、退職時に寄附されているといわれている。しかし、町が説明するように永久代休を本当に寄附して退職しているのだろうか。ここにも疑問がある。これは、何の手続もしないで退職しているのではないか────という疑問だ。寄附をするということは、本人が残業の支払い請求を放棄して退職するに等しい。
寄附するための手続はどうなっているのかも追及していきたい。
半日休日出勤した場合、8週間以内に代休を取らないと休日出勤した事実そのものが消滅するというのも、何が問題なのかを明らかにしたい。これは永久代休の措置よりひどい。ただ働きがどのような実態として存在しているのかを数値的にも明らかにさせる必要がある。
労働基準監督署の見解も聞きたいと思っている。どのような動き方をすればいいのかもアドバイスをもらうつもりだ。
この問題を解決することによって、管理者側は、労働者の労働時間管理のあり方が問われるだろう。職員の側も働き方が問いなおされる。残業代の未払い問題を根本的に解決しないと、職員の労働意欲や仕事の効率化は望めない。かつらぎ町の職場の中の労働時間管理は、原則を見失って大きく崩れている。課によっては、5時15分になっても勤務が終わるという雰囲気があまりない。残業しても残業時間をカウントし、未払い残業の時間を増やすだけなので、時間通り仕事を終わる意味がなくなってきているのだ。
膨大な残業の未払いを解決する過程の中では、さまざまな問題が発生するだろう。中には寄附を申し出る職員もいるかも知れない。町当局が寄附を強く求めるかも知れない。一度に支払えない金額である可能性が高いので、分割払いということになるかも知れない。しかし、この問題を解決することによって、かつらぎ町の質が変わるのではないかと思っている。労働組合の中でもよく話し合って、団結を強めて問題の解決に当たってほしい。このことを強く期待している。
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いつも鋭い視点でのブログ読ませていただいています。
私自身様々な仕事についてきましたが残業手当の支給は当たり前と思われます・・が、本当に必要な残業が行われているのか?
この件についてはいかがでしょうか。
過去に個人事業者・法人・海外での政府機関・私自身も経営参画させていただき色々と経験してきましたが従業員の残業の内不必要なものが80%程見受けられました。
大切なことは給与報酬により生計を立てなければならないことは当然ですが、何事にも「ギブ&テイク」が必要ではないのでしょうか?
日本社会は要求型・依存型社会に成りつつあります。
まず、原点に戻り「働かざるもの食うべからず(職に就いていながらと解釈ください)」・・とも考えるべきかもしれないと思います。
ある企業の役員と食事をしたときに残業・休日出勤という時間つぶしをする社員が多過ぎる・・とぼやいていた事も記憶に残っています。
全てがそうであるとは言えないのですがまず残業や休出を減らす工夫が必要かとも思えます。
但し、本当の業務に関しては報酬が支払われるべきでしょう!!
素晴らしい仕事を~~~~
「本当に必要な残業が行われているのか?」
という点でいえば、崩れていると思います。現在の崩れている問題を正すためには、どこから改善したらいいのかということが大事だと思っています。
民間の方と話をしたとき、労働時間に対する感覚の鋭さに驚いたことがあります。かつらぎ町の職員の働き方を見ていると、残業代が支払われていないので、働く側と管理する側の双方とも、労働時間に対する感覚が極めて鈍くなっています。
「労働時間内に仕事を終われなければ、残業したらいい。どうせ残業しても賃金は支払われないんだから」
こういう感覚が職員の中にあります。
この問題を正していかないと、その部署に必要な人員や仕事量の把握もできません。明らかに仕事が少ないのに臨時職員を配置している部署があるようにさえ見えます。
残業代を払うことによって、管理職による労働時間管理が行われるようになれば、必要な人員の数も仕事量も把握できるようになるし、土日出勤が必要な職場では、フレックス制の導入も実現すると思われます。
こういう認識になったきっかけは、公民館における労働時間の管理が極めて曖昧なことを知ったからでした。公民館は、火曜日から日曜日まで、朝の9時から夜の10時まで開館を保障することになっています。これは教育委員会の規則にうたわれています。しかし、実際は開館を保障する体制はありませんでした。
労働時間管理が鮮明であれば、開館を保障するにふさわしい人員配置を考えます。しかし、実際はまったくそうなっていませんでした。
月曜日が休館日なのに職員が出勤しており、土曜日は、職員の出勤がありませんでした。開館を保障するという点でいえば、火曜日から土曜日勤務という考え方が生まれてきても不思議ではないと思います。
現在は、一定の改善は見られましたが、すべてが改善された訳ではありません。
残業代を支払っている自治体では、労働時間内に仕事を終われという指導があります。ノー残業デーという日の設定もあります。一生懸命働いて賃金を受け取る。必要な残業には賃金を払う。無駄な残業は認めない。こういう当たり前のことが実現するように、「残業代を支払え」と言っているのです。原則に立ち返るためには、原則を貫くことが必要です。