平成22年度の決算に対する反対討論

かつらぎ町議会

議会が終了した。
ぼくがおこなった反対討論を掲載しておく。

平成22年度かつらぎ町一般会計
歳入歳出決算に対する反対討論

日本共産党を代表して平成22年度かつらぎ町一般会計歳入歳出決算に対する反対討論を行います。
山本町長は、22年度会計を通じて、笠田小学校と渋田小学校の改築をすすめるとともに、平成24年度4月実施のために学校給食の実施準備を始めました。これらは、緊急かつ重要な課題を実現するものであり、高く評価されるものだと思います。
しかし、事業を町おこしの核にすえる視点は極めて弱いといわなければなりません。学校建設については、統廃合によって新しい学校を建設するだけではなく、教育条件をさらによくすることを考えるべきでした。学校給食については、後発という利点を生かし、まちづくりに寄与する学校給食をめざすべきでした。施策の一つ一つは、まちづくりにつながります。実施する施策によって活性化を目指すためには、施策を突き抜けさせる必要があります。無難に事を進める態度では、衰退しつつある現状を打開することはできません。

平成22年度は、山本町長にとって7年目の予算編成に当たりました。本町は、少子化、高齢化、過疎化が同時に進行し、地域の経済力が衰退しつつあります。この現状認識は共有されています。しかし、町の衰退傾向を打開するために、具体的な対策に取り組んでいるとは、いいがたい状態です。
本町には、行政改革の実施計画はあるのに、長期総合計画の実施計画はありません。スクラップ&ビルドは町の方針ですが、スクラップはあるのにビルドがほとんどない状態が続いています。まちづくりの具体的な方針がないままでは、建設的な施策展開は望めません。議会が3月に条例を修正して定住促進住宅の家賃を値下げし、笠田小学校と渋田小学校に冷暖房完備を求めて予算を修正したのは、現状を打開するために施策の充実を求めたものでした。議員は、ここ数年、日本共産党の議員を含めて、決算委員会による指摘や一般質問での提案など、積極的な施策の実現を具体的に求めてきました。町当局の姿勢は、議会の姿勢よりも大きく立ち遅れているといわなければなりません。
日本共産党町議団が、一般会計に反対するのは、町当局が、衰退しつつある地域経済を活性化する課題に全力で取り組んでいないからです。年々事態は深刻になっています。町当局は、現状維持では衰退しか生まれないことを強く自覚し、まちづくり・町おこしに取り組むべきではないでしょうか。

山本町長は2期目の公約として、住民との協働を掲げました。しかし、町当局がいう協働は、「住民と行政が協働する簡素で効率的な行政運営」に限定されているのではないでしょうか。
全国の自治体には、行政改革を進めるために「協働」を活用している自治体があります。行政が行っていたことを住民にしてもらい、それで経費を削減するというものです。これは、協働という名の行革推進に他なりません。
住民と行政との協働はもっと全面的なものです。国民主権を基礎に住民自治と団体自治を結合させ、住民と行政がコラボレーションを行うところに協働の本質があります。これは、行政主導型の町政運営から住民を主人公とする町政運営への全面的な転換を意味します。
この観点から見て平成22年度の学校給食運営審議会の答申は、最悪の結果となりました。町長と教育委員会は、民設民営から公設のセンター給食に切り替えるという町の方針を最終段階でひっくりかえし、民設民営の学校給食を長期間行う方向にかじを切りました。この方向転換は、答申後1か月で行われました。教育委員会は、長期にわたる民設民営の学校給食を実施するために、中学校給食の早期実施、給食費への50円補助という方針を打ち出しました。
一連の経過は、行政主導で自治体を運営する町の姿勢をさらけ出すものでした。これは、住民の協働を踏みにじる許し難い汚点です。

隣保館については、22年度末に廃止するという方針が1年間延長されました。住民説明会が行われた結果、住民は現行のように使いやすい運営を求めました。しかし、この分野でもかつらぎ町は、住民の声を踏まえて議論をしているでしょうか。
全国的に見ても、同和問題の解決を図ることを目指して設置された隣保館は、役割を終えたとして、施設の変更がおこなわれています。全国各地には、新しい施設として運営が始まっている例が豊かに存在します。しかし、行政内部の議論は、遅々として進んでいません。新たな活用方法が、全国の事例を踏まえて具体的に検討された形跡はありません。このままいけば、この分野でも行政主導の方向が打ち出される可能性があります。
学校の跡地利用についても同じことがいえます。発想は極めて内向きです。視野を外に広げ、全国の豊かな経験から学び、比較し、検討すれば新しい視野は開けます。かつらぎ町という小さな井戸の中から飛び出して、大海原に出て行くことを切望するものです。

最後に職員のモチベーションについて、述べておきます。
22年度まで残業代は給料の4%に抑制するという方針がとられてきました。この方針は、法律に反する許し難いものでした。
この方針の結果、残業代に未払いが生じ、残業の累積時間が極めて大きくなっています。未払い残業時間が2000時間を超えている職員がいます。私は、決算委員会で未払い残業時間数、未払い賃金の額、職員一人当たりの未払い労働時間などについての資料の提出を求めましたが、資料提出はありませんでした。
町当局は、4%に超過勤務を抑制したので経費を削減できたといっていますが、これでは、未払い残業に対して残業代を支払わない宣言になってしまいます。こんなものはまったく評価に値しません。
本来、残業は課長の命令によって行われます。しかし、未払い残業が常態化する中で、残業の事後報告が横行しています。課長による労働時間管理が形骸化しています。労働時間管理が崩れると、課長による仕事量や事務量の把握ができなくなります。職員の減員がすすみ、一人当たりの事務量が増えている中で、労働時間管理がなされていない事態は深刻です。
残業代の未払いは犯罪です。自治体が犯罪を犯すことは許されません。職員は、自らの残業代を請求する権利があり、町当局は残業代を支払う義務があります。犯罪にならないように問題を解決するためには、超過勤務手当の全額支給が必要です。これ以外に解決方法はありません。
今後、超過勤務手当の全額支給が実施されれば、課長による労働時間管理ができ、仕事量、事務量の把握ができ、フレックスタイムの導入も実現すると思われます。労働時間内で効率的に仕事をおこなうようになり、超勤手当抑制のためのノー残業デーも実施されると思われます。
なお、休日勤務の一部について、8周以内に代休を取らない場合、休日勤務そのものが消滅するという運用は、完全に法律に違反しています。休日出勤が8週間で消える問題について、決算委員会では、「法的根拠はございません」という答弁がありました。法的根拠のない運用は改善されなければなりません。

反対討論で、職員の超過勤務の問題を取り上げたのは、職員の労働意欲を改善する上で、問題の解決が必要になっているからです。この問題を放置したまま、職員のモチベーションを高めることはできません。
以上が今回の反対の中心点です。本町が、法律を守り、地域経済の危機を乗り越える施策を積極的に打ち出す自治体になることを願って、私の反対討論といたします。

 

平成22年度かつらぎ町後期高齢者医療事業
特別会計歳入歳出決算に対する反対討論

日本共産党町議団を代表して、平成22年度かつらぎ町後期高齢者医療事業特別会計決算に対する反対討論を行います。
平成20年4月に導入された後期高齢者医療制度は、あと3か月で第3期に入ります。民主党は、後期高齢者医療制度に代わる新制度の導入について、平成26年4月に先送りしていますが、先送りの中でこの制度がずっと続く事態になっています。
さらに後期高齢者医療制度の廃止を掲げた民主党は、70歳から74歳の医療費を2割負担に引き上げる方針を明らかにしましたが、世論の強い批判を受けて、平成24年度はこれを実施しないこととなりました。事態は混迷を深めています。
本町における22年度の後期高齢者医療制度の対象者は3388人であり、人口比は18.1%を占めています。高齢化が進むにつれて、75歳以上の高齢者はさらに増えていく傾向にあります。75歳になると後期高齢者医療制度に囲い込む現在の制度は、国民皆保険制度を採用している他の国には例のないものです。

あらためて、この医療制度導入の理由を見ておく必要があります。
75歳以上で囲い込む医療制度をつくった理由は、
1、若年者と比べ老化に伴う生理的機能の低下により、治療の長期化、複数疾患への罹患、特に慢性疾患が見られる。
2、多くの高齢者に症状の軽重は別として認知症の問題が見られる。
3、後期高齢者は、この制度の中でいずれ死を迎える。
というものでした。かつて、厚生労働省の実務担当者は、75歳以上だけ別建ての終末期医療の診療報酬体系を新設した理由について「後期高齢者が高額な医療費を使っても死亡する事例が多いため、同制度によって、75歳以上の終末期医療費を抑制するためだ」と語ったことがあります。さらに別の厚労省担当者は、「この制度は、医療費が際限なく上がっていく痛みを後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくものだ」と講演しました。

後期高齢者をこの医療保険に囲い込むことによって、医療費の抑制をはかる、そのために後期高齢者の方には、医療負担の重みを実感していただく、これがこの制度の目的です。時代を支え、家族を支え戦後の復興を支えてきた75歳以上の方々をいじめるような政治と国に未来はありません。後期高齢者医療制度の速やかな廃止を訴えて、私の反対討論といたします。

かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明