わが家にやってきたサンタクロース

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サンタクロース。
娘は、朝起きてくると
「サンタさんから手紙が届いた。プレゼントももらった」
はしゃいでそう言った。
サンタさん宛の手紙とキャンディを窓際に置いて、このキャンディを食べてくれたら「サンタさんはいてる証拠」と言っていた。
かくて、
お菓子は窓際からなくなっていたし、サンタさんから届いた手紙は、英語で書かれていた。
サンタクロースは、木製のソリに乗って、トナカイに引っ張られて家の前の空中に停まっていた。雪の降った夜ではなく、月明かりがトナカイとサンタを青白く照らしていた。
大きな白い袋から取り出したプレゼントには、リボンがかけられていた。
赤い服と赤いズボン、白いひげ。赤い三角の帽子、帽子の先にある白い玉。恰幅のいいお腹。サンタクロースは、どこから見てもサンタクロースだった。
ソリから降りたサンタは、しっかりした足取りで、透明な階段を下りてくるかのような足取りで、2階の窓に近づいた。
サンタが窓の前に立つとちょうど窓枠は胸の高さぐらいだった。膝をおってしゃがんでいたのかも知れない。
サンタが、プレゼントを窓ガラス越しに差し出すと、腕がガラス窓を通り抜けた。
窓際の机の上に置かれたクリスマスプレゼント。
サンタは、胸から手紙を取り出し、封筒に軽くキスをしてプレゼントの上に置いた。
立ち去ろうとしたときに、サンタは、窓際に置かれてあった娘が書いた手紙とキャンディを発見した。
短い手紙には、「サンタさんありがとう。キャンディ食べてね」とあった。
サンタは、にっこり笑って、キャンディを口の中に放り込んだ。
ポイッ
階段を登る足取りは軽かった。
トナカイが、首を振るとシャリン、鈴の音が小さく鳴った。
サンタがソリに座り、手綱をぐいと引くとトナカイは、勢いよく空をけった。
ソリはもう一度シャリンという音を残し、ゆるやかに右にカーブを切って滑るように走り出した。
「ぼくはプーさん、プーさんプー。プーさん、プーさん、プーさんプー」
お風呂に入って、髪を乾かしている娘は、今日一日すこぶる機嫌がいい。
わが家にやってきたサンタクロース。
また、来年も来て下さい。


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Posted by 東芝 弘明