平成25年度一般会計反対討論

かつらぎ町議会

平成25年度の一般会計の反対討論は、ぼくが担当した。賛成と反対を明確に、というのが同僚議員の注文だった。

以下が、反対討論の全文だ。

平成25年度一般会計予算に対する反対討論

日本共産党町議団を代表して、平成25年度かつらぎ町一般会計予算に対する反対討論を行います。
第2次安倍政権が打ちだした経済政策は、世間からはアベノミクスと呼ばれています。安倍総理は、経済政策を3本の矢と表現しています。第1の矢は「大胆な金融政策」つまり量的規制緩和、第2の矢は「機動的な財政政策」つまり公共事業、第3の矢は「民間投資を喚起する成長戦略」というものです。3本目の矢は、規制緩和、原発推進、TPP参加、法人税率の引き下げなどであり、成長戦略と言えるものではありません。第1の矢は、日銀が市中銀行の保有している国債や金融商品を買い上げて、銀行に現金を手渡す、資金運用しやすいように超低金利を続けるというものです。第2の矢は、大量の国債を発行することによって、公共工事の大盤振る舞いをおこなうということです。第1の矢も第2の矢も共通しているのは、日銀が裏付けのない紙幣を大量に印刷し、市場に投入するというものです。
この2つの政策は、紙幣の価値を引き下げることによってインフレを引き起こす可能性をもっていますが、これは、日本の財政赤字を膨大に膨らませる極めて危険なものです。

この経済対策は、少子高齢化、過疎化、農林業の衰退、地域産業の衰退に直面しているかつらぎ町を発展させるでしょうか。この政策によって、産業の活性化は起こるでしょうか。
答えは明白です。安倍政権の打ちだした政策は、かつらぎ町にとっては有効な対策ではないということです。むしろ、インフレと財政赤字のツケを町民に押しつける、さらには、より一層深刻な経済破綻を引き起こしかねない極めて危険なものだといわなければなりません。消費税増税とTPP参加、インフレ、財政破綻のツケが私たちをより一層苦しめる危険が極めて大きいということです。

私たちは、このような状況を視野に入れつつ、本町が直面している問題、過疎化と高齢化、少子化、農林業の衰退、商工業の衰退、人口の減少と真正面から向きあって、地域を再生するために全力を尽くさなければなりません。町の財政問題は、問題の主役ではありません。限られた財政の中で、どうやって危機と向きあい、活性化を図るのかということが問われています。
行政と住民との協働は、この直面する危機に立ち向かうために、どうしても必要な基本姿勢になります。協働は、行政と住民が対等平等に話し合うことから始まります。この視点が明確であれば、町の施策は、住民の要求と願いに基礎をおいたものになるということです。
したがって、平成25年度の一般会計予算の評価は、この直面している危機に対し、どれだけ真摯に向きあっているかによって計られます。

まずは、25年度予算で賛成すべき主な面について述べさせていただきます。
基本構想をふくむ長期総合計画をかつらぎ町が自らの力で作成しつつあることには賛成です。職員が減少している状況だからこそ、自らの頭で計画を立案し、ネットワークを構築して事業を推進する力が必要です。依然として民間のコンサルタントへの委託も散見されますが、自主的に計画を策定する方向に切り替えていくことが問われています。
今年度は、紀北分院を軸とした地域医療元年とも呼ぶべき努力が始まりました。これは画期的なことです。この分野における努力は、各種健診の充実と医療分析への努力、減塩レシピの推進などに現れました。地域医療との連携を軌道にのせるためには、まちづくりの戦略としてこの課題を位置づけ、それにふさわしい計画及び推進する仕組みが必要です。この方向に向かって努力されることを期待します。

農業の活性化のために、青年収納給付金の受給者を中心に若手農家に集まってもらって交流を図ることは、新しい努力であり注目します。ここから新しい取り組みが生まれるよう期待します。

合併浄化槽への補助金の中で、認可区域及び都市計画区域内における設置補助を大幅に引き上げたことは英断です。公共下水道区域の見直しと合併浄化槽設置の推進によって水洗化率を引き上げる努力は、理にかなった対策だと思います。
山間部における可燃性ごみの収集回数を週2回に増やすことは、公平なサービスとして必要なものです。斎場の炉の修繕によって施設の機能が向上することも喜ばしいことです。

小学校の跡地利用について、四郷地域とかつらぎ町が話し合いを通じ計画を具体化し、必要な改築をおこなって、公民館と児童館を併設した施設へと生まれ変わらせる努力は、協働のまちづくりの具体化の一つであり、今後の発展方向を明示するものです。

今年度は、妙寺小学校における学校給食の実施及び中学校における学校給食実施の準備年度となります。小中学校における給食の実施は、食育の柱になるものであり、地産地消を含め食育がより一層充実するよう期待するものです。

浄化センターの西を活用した公園の基本構想策定は、膠着している事態を打開するために必要な努力だと思います。この努力によって、前向きな変化が生まれることを期待します。今後この分野でも大事なのは、どのような公園を構想するかということです。かつらぎ町は、基本コンセプトがあいまいなまま施設を建設するという失敗を過去に何度も繰り返してきました。住民ニーズに基づいて基本的コンセプトをしっかり構築することを期待します。

総合型地域スポーツクラブへの補助、三谷公民館のトイレ改修、シビックセンター改修、かつらぎフィットネスの機器の入れ替えなども評価できるものです。
以上が賛成すべき主な新規事業です。

反対せざるをえない点を3点述べさせていただきます。
行政改革大綱が改定されようとしていますが、この「行革」の中心に事務事業の外部委託の推進が座りつつあることには、賛成できません。住民サービスは、住民と直接ふれあうところで実施されます。しかし、「民間委託推進のため、委託可能な事業の選定作業を進めてまいります」という言葉が実行に移されると、住民サービスを実現しているところから切り捨てられる可能性があります。地方自治体とは何か、自治体は何を維持し、何を守るべきなのかという基本的な理念のない民間委託は、自治体の事業を破壊するものです。「委託可能な事業の選定」という言葉は、基本理念を欠くものであると言わざるを得ません。理念なき「行革」は、まちづくり、地域おこしの弊害になります。住民との信頼をも破壊しかねない行革には警鐘を鳴らす必要があります。限られた職員数で、質の高いサービスを実現するうえで、何よりも重要なのは、自主的、自覚的な精神に支えられた計画と事業実施のネットワークです。こういう観点での行政改革こそが求められています。行政改革=民間委託ではありません。本町が、本当の意味で行政改革を行うことを求めます。

幼保一元化施設を2園に集約することには反対です。かつらぎ町の地形、人口分布及び施設の規模からみれば、2園以上の施設は必要です。200人を超えるような施設は、子どもを健やかに成長させる施設ではありません。現行の計画では、2園と民間委託がセットになっていますが、もっと多面的に柔軟に計画を検討する必要があります。現行の基本的な計画は、調査と研究が不足しています。まずはこの姿勢を改めることが必要です。就学前の保育と教育の計画を組み立てるためには、保護者の実態調査が不可欠です。幼稚園と保育所に対する説明、子育てサークルや子育て支援センターに集まっている人への説明など、この分野ですべきことは山積しています。住民のニーズと意識及び実態にかみ合う、考え抜かれた計画に改めるよう要求いたします。この分野の施策は、本町にとって、子育てしやすい町をどのように構築して行くのかという点で、極めて重要な中心課題となります。絶対にこの分野で道を誤ってはならないので、住民が納得できる方向に道が拓かれることを切望します。

衰退しつつある地域経済の活性化は、本町にとってまちおこし、地域おこしの核になるものです。しかし、25年度の予算質疑で明らかになったのは、この分野における基本的な戦略が未確立だということです。それは、「かつらぎフルーツ王国振興公社」の位置づけが明確でないところに如実に現れています。物産販売を中心に事業を展開するという位置づけは、大きな間違いです。このNPO法人に求められているのは、産業振興、地域おこし、地域経済の活性化です。いかにしてかつらぎ町に観光客を呼び込んで、かつらぎ町民の経済的な努力が実るように結びつけていくか、というところに使命があります。人件費1500万円が投資され、その結果としてかつらぎ町内で何十倍もの経済波及効果が生まれれば、このNPOへの投資は無駄にはなりません。こういう視点でNPO法人の役割を組み立て直す必要があります。
480号の物産販売店、京奈和のパーキングエリアの販売店などの基本コンセプトを民間のコンサルタントに委託するという方法は、志賀ふれあい会館の経営計画をコンサルタントに委託したのと同じ誤りを犯すものです。外部の専門家の意見や知恵を借りる必要はあります。しかし、基本的なコンセプトを丸投げして、計画を立ててもらうようなやり方では、かつらぎ町の活性化はできません。
町職員が、未知の領域に足を踏み込んで、他の事例から学び、考え方を構築し、地域を見つめ直し、顧客とは何か、基本コンセプトをどこに置くのか、何を販売すればニーズに合致するのか、どう経営体を構築するのか、これを自主的・主体的に考える力をもたないと、成功は生まれません。
地域経済の活性化というかつらぎ町のまちづくりの最も核となる問題で、基本的な戦略を構築して、ネットワーク化をすすめる必要があります。変化を起こす気概に燃えて全力を尽くす自治体への脱皮を求めます。
以上が反対する中心点です。

住みやすいまちづくりについて、一言要望いたします。天野地域が、人口増をめざして、町外の人を受け入れる努力を具体的に行って大きな成果が上がっています。田舎の地域運営のルールが、他所から来た人には分かりにくく、移り住んでも人間関係の構築でトラブって、転出した例は少なくありません。天野の努力は、紀美野町における努力と共通しています。IターンやUターン、Jターンの努力は、受け入れる町民側の努力によって、大きな成果を上げるものです。空き家対策と住民側の受け入れ対策への努力を始めるべきだと思います。住民側の努力でカギを握っているのは生涯学習課です。天野地域などの教訓を学習を通じて地域に返していくことが、住民との協働の新しい一歩になることを呼びかけたいと思います。

合併による合算算定が終わり一本算定に向かうこの時期、人口減少が進んでいる中で財政運営には、不安材料がつきまといます。この中で本町は、国の経済対策などを活用しながら、積極果敢にまちづくり、地域おこしに力を尽くす必要があります。まちおこし、地域おこしを軸にし、その中で財政運営を考える自治体になることを求めて、私の反対討論を終わります。

かつらぎ町議会TPP

Posted by 東芝 弘明