自民党と日本共産党の違い

雑感

自民党に入ることと日本共産党に入ることとは、かなり隔たっているように思われる。
自民党への入党は、権力の恩恵に浴するために入党するということがあり得る。純粋に自由民主党が正しいと信じ、入党する人もいるだろうが、中には、権力を握っている人々に近づいて、自分の利益を実現するために入るということもあり得ると思われる。
自民党は、政治と経済を動かしている勢力なので、県会議員や国会議員と親しくなれば、現実に政治や社会を動かすことにつながる部分があるだろう。自分たちの親族の就職にも有利に働くこともあるだろう。
日本社会は、根底には経済的な利害によって動いている部分が多いので、自民党への深い接近が、自分の利益につながることがあるということだ。

しかし、利害関係を重視して、自民党と関わっていくことが、国民の根本的な利害と対立してしまうという矛盾を抱え込む情勢が進展している。自民党を信頼していると、日本が戦争に参加する道に賛成したり、消費税10%増税やTPP参加賛成という道に引きずられてしまうことが積み重なっていく。自分たちの利益を得るために権力の中枢に入り込むことで本当にいいのかどうか。自民党を支持するということは、こういうことと結びつき始めている。

自民党は、日本社会の古い部分を反映している。企業・団体献金を禁止しておらず、脱法的に政治資金パーティーを開き、企業に依拠して資金を集めているかぎり、自民党は、企業の経済的利害から逃れられない。数日前、関西電力が自民党に毎年資金提供していた問題が明らかになった。これは、企業と自民党の関係をリアルに示した一例だった。企業・団体献金の受け入れと、表に出てこない企業からの資金提供があるからこそ、自民党は、経済界にも大きな力を持つ存在になる。こういう関係にあるからこそ、人脈や金脈が豊かに存在する。ここに魅力を感じ、惹かれていく人々は、数多く存在するのだけれど、こういう社会関係を維持しいるかぎり、自民党は、国民主権の政治を実現しない。

日本共産党への入党は、個人の立身出世にとっては、マイナスの作用をもたらしかねないものだろう。巨大な権力に立ち向かって、社会正義を貫くということになるので、冷たい仕打ちにあうことも多く、個人的な利益につながることはほとんどない。
ぼくは、「社会一般のために立ち働くことによって自らを高める」という言葉を少しでも貫きたいと思っている。日本共産党員を支えている心情には、さまざまなものがあるだろうけれど、世のため人のために尽くすことが、自分の人間的な成長につながるという思いを持っている人が多い。
企業・団体献金の禁止という原則を貫く政党だからこそ、徹底的に国民の立場に立つことができる。日本の政治において、企業・団体献金の禁止が実現しない限り、本当の意味での国民主権は実現しない。企業・団体献金の禁止が、日本共産党だけの特徴に留まっている限り、日本の政治の後進性は打破できないだろう。お金の問題で、国民に依拠しきる体制を構築している日本共産党は、いわば、社会正義を徹底的に貫ける立場を確立しているといっていい。

日本共産党の綱領が、日本国憲法の原則である国民主権と国家主権を徹底的に貫いて、日本国憲法を文字どおり実現して、民主的な社会をつくろうとしていることは、日本共産党が金権腐敗に陥らない政治的な原則をもった党だという証明になってる。日本共産党の首長が誕生した地方自治体では、権力を利用した金権腐敗は生じていない。これが金権腐敗を断ち切った生きた事例になっている。ただし、日本共産党が、中国共産党のように政治権力をにぎり(日本共産党の展望は、連合政権なので、共産党単独で政権につくことは考えていないので、この表現は正確ではない)、政権を担ったときに、腐敗しないかどうかは、鋭く問われることになる。腐敗しない試金石は、日本共産党が綱領路線を徹底的に守れるかどうかにかかっている。

国家権力が腐敗するのは、国家が国民から独立した機関になり、経済的な支配を土台として、国家が経済的支配勢力の手中にあり、国民を支配する機関として機能しているからに他ならない。大ざっぱにいえば、資本主義社会の下で国民主権を実現した国はまだないといってもいいだろう。
「権力は腐敗する」という言葉がある。これは一般論に聞こえるが、本当のところは、国家が、国民支配の機関として機能しているからに他ならない。
社会主義を目指している国における国家権力の腐敗も、それらの国々が、国家機関が国民支配の機関として機能しているからだ。世界史はまだ、地球上に国民主権の国を誕生させていないと言えるだろう。
日本共産党は、国民主権の国づくりこそが、民主主義革命の課題だと把握している。日本の場合、アメリカと日本の大企業の利益優先の国家から国民主権を実現する国家への転換こそが、革命の課題になるということだ。この道を実現するためには、まず企業・団体献金の禁止が極めて重要になる。

雑感

Posted by 東芝 弘明