あんぽ柿を買いに
「あんぽ柿といっても作る工程は違うんですよ」
その人は、少し真顔になってそう言った。
700トンものあんぽ柿を作る施設の建設のために、機械の導入を行うための契約が議案として出ている。
巨大工場というものでは全くないが、町中の工場というものでもない。工場の全長は60メートルを超えている。その施設に機械を入れてあんぽ柿を作るということになると、作業工程が違えば機械も違うことになる。導入する機械とはどういうものなのか。
一定の想定があって導入されるものになっているのではないか。
そういうことが気になったので、製造者の違うあんぽ柿を買うために、いくつか店を回り、あんぽ柿を並べてみた。見かけもそれぞれに個性がある。ぺったんこに近いものもあれば厚みのあるものもある。
写真をアップしようと思ったが、
「写真を載せるのであれば、贈答品用のあんぽ柿にしないとお店の人に申し訳ないんでは」
という意見が出てきた。
そうれもそうだなあ、ということになったので、写真は載せないことにしよう。
