カミソリの替え刃
20分前に着いたので、赤旗に掲載された第5回中央委員会総会の結語を読んだ。会議は、お昼をはさんで午後4時過ぎに終了した。そのあと2人の人と相談をして、和歌山市から帰路についたのは、6時を過ぎていた。東警察署のあたりが少し渋滞していた。
イズミヤの前にあるケーズデンキに立ち寄るために、指示器を右に出して交差点の右折だまりに入った。和歌山市方面から帰ってくると、ケーズデンキの前を通り過ぎて、2つ目の信号を右に折れて、少し戻らないと駐車場に行くことができない。
車を建物の前に止めて、お店の中に入った。人の顔が映るくらいピカピカに磨かれた大きなホールのような広場がある。この場所の両側には、携帯会社の各キャリアのWi-Fiなどを展示している。お店へのドアは、ホールのような広場の真ん中当たりにある。自動ドアが開くと明るい店内が目の前に広がる。
電動ひげ剃りの替え刃ずらりと並んで吊られているコーナーの前に立った。iPhoneで写真を見た。自宅で取って置いてあったパッケージの写真を撮ってきたので、替え刃の型番選びは迷わなかった。替え刃は消費税込みで5700円程度だった。買いかけて少し思いとどまった。
「替え刃よりも本体を買う方がお得かも」
こういう考えが頭をよぎったので女性定員を呼び止めた。
「そうですね。お客様がお使いの製品の場合、物が8000円から1万円以上しますから、1回は、替え刃の方がよろしいかと思います」
女性はきっぱりそう言った。
レジへどうぞ、という感じでテキパキと案内されたので恰幅のいい女性の後に付いて行く。
「ケーズデンキの会員券はお持ちですか」
「いえ、持ってません」
「今日登録いただいたら、500円の割引クーポンが使えます。スマホですか」
「はい、iPhoneです」
「お作りしましょうか」
「はい」
「では、こちらで、このチラシを見て入力して下さい」
女性店員は、椅子の所に案内してた。
「少しお時間がかかると思いますので、できたらレジの方に来て下さい」
彼女は、ムダな動作のない動きで、流れ作業のようにぼくを動かした。
あと、ワンテンポ、間というものがあったらいいのに。ぼくの心の声がした。
入力を終了して、レジの所に行くと、別の女性店員が立っていた。
彼女は、レジの横から替え刃を出してきて、
「これでよろしかったですか。500円のクーポン使いますね」
そう言って、iPhoneのボタンを押した。
5200円程度の買い物になった。
電動ひげ剃りの替え刃は、結構な価格になっている。交換するのか新しいのを買うのか、迷うほどだ。バッテリーが長持ちしなくなって、交換しようとすると、「買った方がよろしいか」というような声が店員から跳ね返ってくる。
「バッテリーがへたってきたら新しいのを買ってね」
というのが販売戦略になっている。
商品は、大量に店頭に並べられて買われるのをひたすらまっている。ラブコールの音はしない。でも全ての商品は声を揃えてこう言っている。
「買って!!」
自宅に帰ると妻とおばあちゃんが夕ご飯を食べていた。
「ひげ剃りの替え刃を買ってきた」
「シャワーの金具を買ってきてほしかった」
妻の返事が飛んで来た。そうだなあ、というのが、ぼくの心のつぶやきだ。









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